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vol.4 栄養失調は救える! 〜革新的な栄養治療手法の導入で、数百万の子どもの命が救われる〜

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世界では、年間5百万人の5才未満児が栄養失調に関連して命を落としています。国境なき医師団(MSF)はこのような死を減らすため、栄養価が高くそのまま食べられる栄養食品「ready-to-use-food(RUF)」を用いた栄養治療の拡大を訴えています。


新たな栄養治療の手法の導入が求められています

飢餓への対処に焦点を当てた従来の食糧援助は、成長期の子どもの栄養摂取のニーズに対応していないため、最も死の危険性が高い乳幼児の命を救うことができません。
MSFは、RUFを用いた治療により、子どもの栄養失調を効果的に治療できることを実証し、2006年には22ヵ国で15万人以上の急性栄養失調児の治療を行いました。

アフリカのニジェール共和国における活動を紹介します

MSFは2006年、ニジェールのマラディ県にある2つの群で、7万3千人の急性栄養失調児を治療しました。 中間集計結果では91%を超える治癒率を示し、重度の急性栄養失調の数はこれまでの年を大きく下回りました。MSFは、死に至る危険性が高い子どもを適切に治療するため、マラディ県でMSFが行う栄養プログラムにおいて、新たに設けた重度の急性栄養失調の定義に基づいて治療が行われるよう尽力しています。並行して、重度の栄養失調に陥る危険性がある子どもに対しては、食糧事情の最も厳しい数ヵ月間は栄養補給を行っています。

団体からの声
子どもが摂取する食糧の量だけでなく、食糧に何が含まれているかが問題なのです。幼児が摂取する食糧に適切な量のビタミンや必須栄養素が含まれていなければ、彼らは通常では簡単に撃退できる病気にかかりやすくなります。食糧援助を増加する呼びかけは、最も死の危険にさらされている幼児特有のニーズを見落としているのです。
(MSFインターナショナル会長、クリストフ・フルニエ医師)
現地スタッフの声
子どもが次第に重症になるまで待つよりも、早期に行動することを決めました。私たちは、危機に瀕した地域の全ての3才未満児にRUFを与える試験的なプログラムを実施しています。これにより、子どもたちは通常の食事に欠けている栄養素を摂取することができるようになります。
(ニジェールのマラディ県におけるMSFの医療コーディネーター、スーザン・シェパード医師)

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クリック募金による支援は、ニジェールでのプログラムを含む各国の栄養失調児を救うための活動などで大切に活用されます。

ニジェールにおけるこの初期治療、あるいは予防策において、MSFは通常の食事の栄養補助食品として、RUFの入った小さな容器を母親に配布しています。この進行中のプログラムでは6万2千人以上の子どもが対象となっており、初期結果によると、幼児の母親に、栄養を強化したトウモロコシと大豆の粉と食料油を配給する従来の手法に比べてRUFは極めて効果的であることを示しています。

世界中で重度の栄養失調に陥っている2000万人の乳幼児のうち、RUFの供給を2007年に受けられたのは推定わずか3%です。子どもを栄養失調から救うために、RUFの十分な供給を確保し、RUFを用いた画期的な栄養治療を拡大することが緊急に求められています。

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寄稿:特定非営利活動法人国境なき医師団日本 中島佳子さん
国境なき医師団についてはこちら
2007年11月20日掲載


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