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小林 博之

vol.84


PROFILE

みずほ証券株式会社
総合企画部 企業文化推進室長
兼 広報・IR部シニアマネジャー(CSR担当)

現在の会社での経歴と担当している主な活動

1987年に前身となる銀行に入行、資金、融資営業を経てカリフォルニア大学バークレー校に留学。帰国後、8年にわたりM&Aアドバイザリー業務に従事。その後、広報・IR部でのCSR、社内広報等の担当を経て、現在は総合企画部と広報・IR部を兼務し、総合企画部では企業文化推進室長に就任、経営と社員のコミュニケーション促進の企画立案・推進業務も行っている。

趣味

旅行(国内海外を問わず)と写真(息子のサッカーでの雄姿、娘のダンスの写真などをメインに撮り溜めている)。また、最近では、ソーシャルメディアに関心、Twitterやfacebookで情報を得ることも多い。

好きな国or行ってみたい国

米国カリフォルニアとタイのバンコク。気難しいところもあった自分を、「何でも前向きに捉えていこう」という思考に変えてくれたのは、この2か所での経験。カリフォルニアは、サンフランシスコ近郊に住んでいたこともあり、第二の故郷。2年間過ごす中で、ダイバーシティ(多様性)に多く触れ、あらゆるものを受け入れるふところの深さ、フレンドリーで前向きなところに多くを学んだ。タイは、米国から帰国後最初に手掛けたM&A案件で縁ができた。厳しい経営環境の中でも明るくにこやかに仕事を続けるタイ人の現地社員の笑顔を見ていると、何事もやれば何とかなる、と思うようになった。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

第9代米沢藩主の上杉鷹山(ようざん)。「なせばなる なさねばならぬ なにごとも ならぬはひとの なさぬなりけり」という名句を残した人物で、江戸時代に、財政危機に苦しむ藩の再建のため、産業を興して農地開拓を行った名君として知られる。当時の各政策は今での伝統産業のベースとなり、まさに「なせばなる」を実践した人物。母親の実家が山形県米沢市であったため、自分にとって馴染みが深く、長年尊敬している。

一番大事にしているもの

「ありがとう」という言葉。非常にきれいな日本語だと思っている。この言葉に表れる他人に対する感謝の気持ちとともに、ポジティブな心と笑顔は常に忘れないようにしたい。


小林さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

多様性を認め、良いことを良いと認め、明るく積極的に考え行動できる社会がすばらしいと思います。子どもの頃は目がきらきらしているのに、大人になってそれを失ってしまうのはなぜでしょう。子どもは親をはじめとする大人の姿を見て育ちますから、大人が面白くなさそうにしていると、当然ながら、将来に対するポジティブなイメージは持てないだろうと思います。会社員や公務員などホワイトカラーが多くを占める世の中ですから、こうした人たちが元気でいきいきと働いているような社会でなければ、良い社会にはなりません。

そうしたときに、よくワークライフバランスという話が出ますが、私自身は、ワークとライフを対立軸にして、ワークかライフかを選択する、というようなことではなく、仕事とプライベートを切り分けずに学びを相互に活かすほうが有意義だと思っています。ですから、仕事も趣味並みに楽しむ姿勢で臨んでいます。ときどき家でも仕事の延長のようなことをしていますが、息子や娘も、私の仕事にも関心を持っているようで(笑)、子どもとの間でも仕事や社会についての会話をすることも増えました。それが、親の背中を子どもに見せる、ということではないかと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

当社の社長が、繰り返し言っているのが「尊重とコミュニケーション」という言葉です。現在のみずほ証券は、2009年に新光証券とみずほ証券が合併して発足しています。異なる企業文化に育まれてきた人材がひとつになるのですから、難しさもあります。「尊重とコミュニケーション」は、多様な人材をまとめていくのに欠かせないことだと社長は考えているわけですが、その通りだと思います。また、これは、企業合併に限らず、様々なシチュエーションに当てはめることができると思います。相手の立場やスタンスを尊重すること。お互いに耳を傾け合い、理解に努めること。

確かに努力は必要ですが、信頼関係はその繰り返しから生まれてくるものではないでしょうか。前述しましたが、良いことは良いと素直に表現する、褒めることも大事なコミュニケーションだと思います。日本人には、言葉に出して、褒めたり感謝したりしない傾向があるので、私も意識するようにしています。相手に対して、認め、受け入れるという意思を伝えることはお互いにとって良いことなのですから。小さな積み重ねが、より良い社会につながっていくものだと信じますし、それをあきらめてはいけないと思います。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

CSRの一環で取り組む社会貢献活動としては、社員や、その家族の皆さんに参加していただきながら一緒に考え行動する機会を多く作っており、ほかに得がたい体験の場になっています。実際に参画していくことで、理解が深まっていくのを共に体感できる点には醍醐味がありますね。とりわけ子どもたちは、普段家庭で目にするのとは異なる親の姿を垣間見たり、ボランティア活動に参加することで環境問題に強い関心をもつようになったお子さんもいらっしゃるようで、うれしく思っています。

難しい点と言いますか、気をつけていかないといけないと思うのは、独りよがりにならない、ことですね。良いことをしているのだから、みんなやって当たり前、賛同してくれて当たり前、というように思うことなく、常に謙虚にやっていかないといけない、と思っています。また、熱心な一部の人たちだけががんばる活動にならないようにもしています。目指すのは、全体への広がりですから。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

みずほ証券は、「FITチャリティ・ラン」に中核メンバーとして参画しています。FITはランナーから募る参加費等を複数の非営利団体に寄付する仕組みで、もともと外資系の金融機関を中心に設立、運営されていたのですが、2007年に当社の女性社員が「このような活動があるが参加してはどうだろうか」と言ってきたんです。内容を確認して、事務局に問い合わせをし、素晴らしいイベントであることがわかりました。早速会社としての参画を決め、社員に参加を呼びかけたところ、初年度から100名以上が手を挙げました。こうした活動は自ら参加してみると本当に良いものです。FITも、数千名ものランナーが、会社の仲間や家族と一緒にすがすがしい汗をかき、それが社会に貢献できるのですから、参加した社員からの評判も上々です。口コミが広がり、当社の参加者もさらに増えてきたほか、みずほ証券だけでなくみずほフィナンシャルグループのほかの会社も共同で参加するようになり、2010年にはみずほグループ全体で実に400人が参加しました。

実は、このFITの打ち上げの際に、次に何がやりたいか、と投げかけたところ、富士山清掃をしてみたいという声があがりました。これもすぐに実行に移し、2007年から毎年実施し、多くの社員が参加するCSRイベントになりました。それを契機に、今では新人研修の中にもCSR研修を取り入れ、富士山、湘南海岸、荒川と、毎年場所を変えながら、数百人規模でクリーン活動を行うようにもなりました。FITチャリティ・ランも清掃活動も同じですが、行動から生まれるものってたくさんありますよね。ですから、正しい、良い、と思われる行動を起こすための決断は、早く行わなければならないと思っています。行動をもって示し、共感が得られれば、必ず浸透、拡大していくもの。良いことならば早くやるにこしたことはない!「即実行」を心がけています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

端的に言うと、企業の社会的責任とは何か、本気で考えるようになりました。M&Aなどの業務に従事しているときには、あまり考えたこともなかったので、そのあたりが第一の変化といえると思います。私は学生時代から、ボランティア活動などに特段興味のあるタイプではありませんでした。社会貢献活動を通じて、社内のほかの部署のメンバーと、純粋に人としてのコミュニケーションができる数少ない機会を得たことで、人と人とのつながりについて改めて関心を持つようになりました。

さらには、本業において、「みずほ証券でなくてはならない理由」すなわち当社が、資本市場における責任ある担い手として、また、お客様に選ばれ満足してもらえる企業として、どのようにあるべきかを考えるに至ったことも、企業人として大きな変化になっています。真剣に取り組むことは、周りにも波及しているのが嬉しいことです。息子と娘は、私がクリーン活動などに参加していることもあってか、確実に意識を向上させているものと思います。息子は学校内をひとりでも掃除しているようですし、娘も大学に入ったらボランティア活動をしたいと言っています。親としては大変嬉しいことです。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

自分にも言い聞かせたいこととして・・・。自分で自分に制約を設けないこと。やってもダメとか、誰かが何かしてくれないとか、理由をつけてあきらめないこと。仕事では職責より一段上の目線を持つようにすれば、いつかそこに追いつきますし、社会に対しては、小さな一歩でも、積み重ねることで大きく物事を動かせるようになるのではないでしょうか。

まずはやってみる、動いてみる、そうすればきっと変えていけると思います。「なせばなる」という気持ちで、前向きに、取り組んでいきたいと思います。

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