クリックで救える命がある。

«前の語人   |   次の語人»

本村 浩輔

vol.77


PROFILE

イーバンク銀行株式会社
営業本部
マーケティング推進室長

現在の会社での経歴と担当している主な活動

2000年、イーバンク銀行の設立準備会社である日本電子決済企画(株)に入社。 以来一貫してリテールマーケティングを担当。 2005年イーバンクのサービスを利用すると寄付が生じる「ちょこっといいことプログラム」を企画。 また、同時期に100万口座達成記念事業としてカンボジアに小学校を建設。現在、200万口座達成記念事業として、フィリピンに小学校を建設中など、各種支援活動を実施している。

趣味

乗馬。1年ほど前に好奇心から試してみたところ、すっかり夢中になってしまった。

好きな国or行ってみたい国

海にあこがれる気持ちが強く、過去に行って一番気に入っているのは南太平洋のボラボラ島、行ってみたいのはアフリカのタンザニア沖に浮かぶザンジバル島。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

旧チェコスロバキアの指導者で、「人間の顔をした社会主義」を唱えたアレクサンドル・ドゥプチェク。彼についてのドキュメンタリーは、何度見ても感情移入して泣いてしまう。旧ソ連の圧力に屈することなく、そのために辛酸を嘗めながらも信念を貫いた生き方には胸を打たれる。他に、北大路魯山人の審美眼も尊敬している。

一番大事にしているもの

想像力や発想力


本村さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

互いを気遣い合える社会なのではないでしょうか。隣人愛のようなものが欠かせないと思います。コミュニティの最少単位は家族で、その先に地域なり職場があり、社会があるわけですが、現代は身近なところですらコミュニケーションが希薄になっています。他人に無関心であったり、隣人愛が持てないような人たちが集まって、良い社会を作ろうとしても無理ですよね。身近な人への関心を持てるようになってはじめて、社会への関心も生まれるものです。地球環境のような大きなものへの問題意識も同様に、入り口は身近な人への関心なんだと思いますね。

どんな問題への感じ方も、自分と無関係ではないという実感を持ち得なければ、それこそ他人事で終わってしまうのです。そして、自分とそれらの問題をつなぐものは何かといえば、つまるところは隣人愛なのだと理解しています。また、身近な人に関心を持ち、気遣えるようになるまでの過程に立ちはだかる壁が一番高く、そこから先は進むほどに壁が低くなると思っています。一人ひとりが最初の壁を乗り越えさえすれば、社会はおのずと良い方向に向かうのではないでしょうか。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

貪らないこと、余裕を持つことが重要だと思いますが、正直言って、個人ではどうしようもないと思いますね。快適な暮らしを望み、それなりの住まいを持ちたいと思うのは普通のことだと思いますが、そのために何十年というローンを組んで家を買い、毎月の支払いのために働かなくてはならないのが現実です。あくせくするなと言っても無理でしょう。精神的にも余裕が持てないのは仕方のないことだと思いませんか。そこを自分たちの力で抜本的に変えてゆくのは現実的ではありませんし、国民一致団結の上で変革の気運を高めるのは、特に日本では難しいですよね。現代の日本人の性に合わないと思います。ですから、国なり、社会のリーダーたちが本気になって何とかしてくれないことには変わらないでしょうね。ただし、個々の取り組みという意味では、当行の「ちょこっといいことプログラム」のようなモデルは社会貢献活動の有効なあり方だと思っています。

ネット上でのショッピング等にイーバンクの口座を利用してもらうたびに、利用者には負担なく寄付が生じるものですが、私たちは社会貢献活動をいわゆる慈善活動としてではなく、マーケティングの一環として、費用対効果があるからこそ実施しています。つまり、いわゆる社会貢献活動に取り組んでいるというより、企業として収益を上げるために行っていることが、結果として社会貢献活動になっているのです。「何だ宣伝か」という向きもあるでしょうが、企業は費用に値することであれば継続させますよね。活動資金を寄付でまかなうNPOにとって、企業が慈善で寄付をしてくれることは有難いに違いありませんが、業績によってもらえたりもらえなかったりでは経営が安定しません。企業がメリットありきで取り組む社会貢献活動によって安定的に寄付が生み出される仕組みがあるのであれば、win-winの形だと言えるのではないでしょうか。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

自分が立案したプロジェクトによって、狙い通り収益が上がり、寄付も実施できているのは嬉しいことです。「ちょこっといいことプログラム」では、スタートして1年半で680万円の寄付をしました。主催している当行も多少は負担しているものの、大半はプログラムの参加企業各社が拠出しています。運用面でさほど難しいことはありませんが、参加企業様に最大限のメリットを提供し続けるために、今後もベストな形を考えてゆくつもりです。

他に挙げるとすると、銀行というところは、実はいろいろと制限が多く、個人情報の取得、管理も厳格で、ユーザー参加型の「リアル」な企画がなかなかできない。ここは少々悩ましいですね。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

「ちょこっといいことプログラム」の寄付先団体のひとつに日本盲導犬協会があります。協会では、横浜にある訓練センターで、盲導犬や視覚障害について理解を深めることを目的に体験イベントを実施していて、私も一度お邪魔しました。実際に足を運んでみると認識を新たにする発見がいくつもあり、良い経験になりました。

せっかくなので、お客様にも、同じような場を設け、寄付がどのように活かされているかを知っていただく機会を作れないかと現在思案中です。「ちょこっといいことプログラム」が参加型のプログラムなので、同じ参加型でもう一歩踏み込んだ企画をつくることを次のステップとして見据えています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

メールマガジンの会員が140万人ほどいますので、自分が担当者として知り得た社会的に有益な情報は、できるだけ共有できるよう心がけるようにしています。前述したように盲導犬については多少知識を得る機会があり、例えば、視覚障害者の誘導をしている最中の盲導犬には決して声をかけてはいけないと学びました。

以前の私もそうでしたが、意外と皆さん知りませんよね。特に犬好きの人などは、街で見かけて話しかけてしまうこともあると思うのです。こうした情報は、自分だけ知って納得すれば良いというものではありませんから、発信していかなくてはいけないと思うようになりました。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

知恵をしぼってやり方を変えれば、もっと楽で効果のある社会貢献活動の形を生み出せると思うんですね。社会貢献活動をする人は、常に意識を高く持ち、労力を惜しまず取り組むべきだとすれば、多くの人が一歩踏み出すのを躊躇することになります。

少しの工夫で、気構えなくても手が出せる仕組みをつくることが可能なはずなので、そうしたものをどんどんつくり出していきましょう。

«前の語人   |   次の語人»

▲このページの一番上へ

語る

1〜101〜10

11〜2011〜20

21〜3021〜30

31〜4031〜40

41〜5041〜50

51〜6051〜60

61〜7061〜70

81〜9081〜90