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佐々木 由理

vol.74


PROFILE

株式会社ABC Cooking Studio
経営戦略部
部長

現在の会社での経歴と担当している主な活動

1999年入社。
3年半のクッキングスタジオ(料理教室)勤務を経て、2002年から本社へ異動し、複数の部署を経験。法人営業の立上げや人事制度構築など、様々な新規プロジェクトの構築に携わる。
現在は経営戦略部の責任者として、新規事業開発、企画制作、WEB構築などを管轄する傍ら、CSRへの取り組みにも着手。

趣味

習い事。非日常的な時間を持ち、なおかつ昔の日本の文化に触れたいと思い茶道をはじめた。また、料理の写真の撮り方を習ったこともある。新しいことを吸収して自己成長につなげたいと何かを習うのだが、気づくとやはり食に関することに興味が集中している。

好きな国or行ってみたい国

ドイツ。卒業旅行以来縁がある。小さな街が点在しているが、どこの地域の人も自分の街に誇りを持っている気がして魅力を感じる。お酒が好きなので、ビールが美味しいところも気に入っている(笑)。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

会社の先輩と両親。今まで関わった先輩たちにはたくさんの事を学んだ。スタッフの9割が女性で占められているので、同じ女性として刺激を与えてくれる存在に恵まれている。両親は良い意味で放任主義で、いつも信じて任せてくれることに感謝している。

一番大事にしているもの

今この時間を大切にしたい。仕事の上では様々なことを任せてもらっており、充実しているが、単に忙しい時間に流されていく自分には存在価値を感じづらい。意識的に毎日を大事にする自分でありたい。


佐々木さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

イメージできることがふたつあるのですが、まず、当社のコーポレートメッセージである「世界中に笑顔のあふれる食卓を!」を具現化できたなら理想的だと思います。最近は特に、このコーポレートメッセージを重く受け止め、発信していることに責任を持たなくてはと思うようになりました。世界には戦争や迫害によって日々の食事、生活がままならない人たちがたくさんいますが、平和な日本にいるとそのような事実を忘れがちです。豊かな国で生きている私たちは、現実に目を向け行動を起こす必要があると思います。ABCクッキングスタジオには、全国18万人の会員の方がいますので、CSR活動の一環で支援している日本UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所の公式支援窓口)を通じて、世界の難民の実態を知ってもらえるよう活動を進めています。ふたつめは、世界の国々、地域の文化が大切に育まれ、継承され続ける社会です。街づくりを例にとると、日本は傾向として価値観が画一化されていて、日本全国どこも似たような姿になってしまっていると思うのです。私がドイツを好きな大きな理由に、その街ごとに独自色が強く、はっきりとした顔を持っているという点があります。それはひとえに彼らが我が町の文化を誇り、大切に守ってきたからでしょう。

私ももっと若い頃は都会至上主義というか(笑)、地方は退屈だと感じていたのですが、最近になって父の出身地である山形県を訪れた際、これまでにないような素晴らしい感覚を覚えたんです。心が開放され安らいでゆくようでした。都会の良さとは全く異なるものを、世代を越えて大切にしてゆきたいと心から思いました。近年になり山形でも、若い人が一様に東京を目指すのではなく、地元にこだわる価値観が生まれてきていると聞いて、とても嬉しく感じました。現代では、しばしば言葉や食文化の乱れが取りざたされますが、経済的な豊かさを手に入れたのと引き換えに、古来から育まれてきたそれら日本文化の良さが消えかけ、同時に心の豊かさも失われつつあると思います。先進国の競争社会がもたらしたメリット・デメリットですね。文化の継承というと漠然としており、実際にあれもこれもできるわけでもありませんが、当社は料理教室を運営していますので、「食」をキーワードに文化継承に貢献したいと考えています。具体的には、教室が北海道から九州まで全国にあるので、各地の郷土料理の継承に関わりたいですね。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

代表がいつも口にするのですが、一人ひとりが謙虚な気持ちを持ち続けることが重要だと思います。今ある豊かな暮らしの向こう側には、生きるために必死な人たちがいる。私たちが自由に好き勝手な生活を続けていけば、子どもたちの世代にはこの地球が駄目になってしまうかもしれない。誰に対してでも謙虚であるということはもちろん大事なことですが、当たり前だと思わないことも、謙虚であるあり方のひとつだと思います。

謙虚な気持ちで、一見自分にかかわりのないような現実でも知ろうとすること、今の平和な暮らしに感謝することがいかに大切なことか。まずは自分自身、一人の人間として、それを忘れないでいたいと思っています。また、将来母となり、子どもへの影響力を持つ女性会員をたくさん持つ企業としても、生徒の皆さんにそんなメッセージを送っていきたいです。一人ひとりが少しずつトライし、変化してゆけば、大きな結果となって現れると信じています。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

食文化の乱れに伴い食育が重要視されていく中で、事業自体が食育活動の一環になっていることを幸せだと感じています。社員一丸となりこのような仕事に誇りと自信を持って取り組めていることが、何よりの喜びであり、私自身の誇りでもあります。

一方、CSR活動に関しては、会社として取り組み始めたところであり、私も担当して間がなく、既存の活動を日々勉強しつつ模索している状態ではありますが、日々の業務に追われがちな全国の運営スタッフに真意を理解してもらい、共鳴して取り組んでもらうことが一番の課題だと考えています。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

先日、UNHCR駐日事務所主催のチャリティー試写会に参加させてもらい、「ルワンダの涙」という1994年に起きたルワンダ大虐殺事件を取り上げた作品を観ました。この映画が、私が人道支援の必要性を心底理解するようになるきっかけになりました。自分の生きてきた時代にあった出来事だという事実がショックで、鑑賞後も涙が止まりませんでした。1994年というとちょうど私は楽しい学生生活を満喫していた頃でした。海の向こうで起きている悲惨なことに目を向ける機会もなく、何不自由なく過ごしていた私と、ルワンダでの日々を重ね合わせると、あまりのギャップに胸がつまる思いがしました。そして、当社の代表が難民キャンプを訪れた経験からよく口にしていた、「ボランティアに行って何かをしてあげると思っていた自分が間違いだった」という言葉を思い出しました。

社会問題を解決するには、私たち一人ひとりの力はほんの小さなものでしか無く、急激に何かを変えたり、戦争を止めたりできるわけではありません。世界に困っている人がいたとしてもそこから助けてあげる事はできない。映画では、惨状を背に避難してゆく英国人の葛藤も描かれていましたが、同じ状況下にあったなら、私も必ず逃げたと思います。しかし、だからこそ、自分が今できる事を少しずつ始めよう、そしてCSRを担当させてもらえる今の環境を最大限活かして、普及活動を広げていこうと強く感じました。無力だと諦めてしまったら、それこそ何も変わらないのです。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

プライベートではエコバックを持つようになったり、会社では、ちょっと小姑っぽいですが(笑)、会議室の無駄な電気を消して歩いたり・・・少しずつですが行動に移すようになりました。まさに、「できることからやってみよう!」です。恥ずかしながら、決して意識の高い人間だったとは言えませんが、等身大の自分にできる事を着実に積み重ねてゆこうと思っています。私にとっては映画というわかりやすいきっかけがあったわけですが、私にできたことは誰にでもできると思えるので、この経験が、自分が伝える側に立ち、少し前の私のような状況にある人たちに大切なことを伝えようとする時、道しるべになる気がしています。

それから、このような意識が芽生え始めたのと機を同じくして、NPOを立ち上げた同年代の仲間と出会ったりしました。縁が縁を呼び、人が人をひきつけるパワーのようなものを感じています。同様に、全国の生徒さんにボランティア活動等の必要性が伝わっていったらと思います

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

「世界中に笑顔のあふれる食卓を!」―当社のコーポレートメッセージです。 私自身、まだまだ勉強段階で、社会に何かを伝えられるほどの人間ではありませんが、いつも自分が迷った時に思い出すこの言葉をメッセージに代えさせてもらいたいと思います。これまで、新規事業の立ち上げに携わることが多かったこともあり、数多くの選択肢の中から、何が一番ABCらしいのかと考える機会がたびたびありました。

悩んだとき、必ず立ち返るのがこのメッセージで、これに照らして答えを出してきました。簡単なようで難しい、けれど素敵なメッセージだと思っています。社会貢献の分野では、できる限りこのメッセージの持つ世界観に近づけるよう、尽力してゆきたいです。

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