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村上雅彦

vol.71


PROFILE

NECソフト株式会社
総務部 法務・CSR推進室 マネージャー

現在の会社での経歴と担当している主な活動

前職ではオーストラリア在住でテレビ番組の制作をしていた。NECソフトには2003年に入社。
総務部広報室で企業広告を担当する。
2004年より総務部CSR推進室が本務となり、総務部広報室は兼務。
2006年より総務部法務・CSR推進室専任で社会貢献および環境保護を担当。

趣味

スポーツ全般。オーストラリアではヨットレース、現在はラグビーやサーフィンを楽しむ。

好きな国or行ってみたい国

モロッコやチュニジア。北アフリカは仕事でアルジェリアに駐在したことがあったが、観光する時間がなかったのが心残り。また、クスクスが大好きなので本場に味わいに行きたい。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

臨床研究医だった父親。病気に苦しむ子どもたちのために尽力する姿を見て育った。

一番大事にしているもの

4歳の娘


村上さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

子どもがいきいきとしている社会ではないでしょうか。日本がダメだとは言いませんが、日本より貧しい東南アジアの国々での方がむしろ大人も子どももいきいきして見えるのはどうしてなのでしょう。

子どもは大人の鏡ですから、大人の社会を映すんでしょうね。特に日本は少子化が進んでいますが、子どもたちがいなくなってしまうような社会では、環境にしても教育にしても、持続可能性について論じることも虚しくなってしまいます。それから、最近の日本は、より弱い人にとって辛い世の中になってきているようで気がかりですね。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

地道にやってゆくしかないと思います。例えば、企業の場合、従業員の80%以上が倫理的思考でものを考えるようでなければならないと言われていますね。それを実現するためには、教室に皆を集めて教育してもさほど効果は期待できません。脳の中の倫理的思考回路を通るような行動や経験をする必要があります。私が現在の職務で社会貢献活動に携わっている中で、一番やりがいを感じるのはまさにこの点なんです。例えば、「煙草の吸殻を捨ててはいけません」と100回言われても捨てる人に、吸殻を100本拾ってもらうとします。自分も捨てなくなりますよ。行動を通して学ぶというと回り道のようですが、そうではない。企業が行う従業員を巻き込んでの社会貢献活動に対してあまり意味を見出さない向きもありますが、決してそうではないと私が信じるのは、ボランティア活動に参加することで本来社会人として不可欠であるはずの倫理的思考が実際に育つと考えるからです。

ちょっと乱暴な言い方をすると、人間は良いことをした後に悪いことをしようとは思わない。それが倫理的思考回路です。多くの企業が社員を対象に倫理教育を行っていますが、倫理思考回路を作るとともに他者とのコミュニケーションを生み、更には目先を変えることでリラックス効果も期待できる社会貢献活動への参加は、それに遜色ない効果があります。ですから、社会を良くしてゆくには、このように地道に結果を出すことが、結局はむしろ早道なのではないでしょうか。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

前述したような理由により、社会貢献活動は単に企業のイメージアップを目的にしたものではなく、それ自身が立派な仕事だと私は考えます。しかし、そこをなかなか理解してもらえない。例えば、定期的に近隣の清掃活動を行っていますが、日没の早い季節だと、勤務終了後には既に暗くて活動が困難です。では就業時間中に、となると、「仕事ではないのだから」ということになってしまいます。社会貢献活動の効果を定量的に評価するのは困難なので、各社で担当者が同じ悩みを持っています。当社は比較的自由にできるほうではありますが、この部分では、他社と協力し合いながら活動の価値や重要性を高め、経営層の理解を深めてゆきたいです。

私は、企業の社会貢献活動の担当者に求められる資質を企画力だと思っています。クリエイティビティとも言い換えられますが、参加した人が次もまた参加したいと思うかどうかは企画にかかってきます。参加者にとって、活動が役立った実感を得ることは非常に大切ですし、イベントが楽しかったり、ためになったり、参加者の満足を満たせられると活動は自ずとひろがっていきます。ですから、担当者として、これに成功した時は本当に嬉しいですよ。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

当社の最寄駅である新木場駅周辺を、社員がボランティアで毎週清掃してきましたが、駅前にある緑地が雑草だらけだったので、整備して花壇にしようかという話が持ち上がりました。そこで私たちが考えついたのが、幾種類かのハーブを植えて収穫、加工し、江東区の行事などの機会に販売することで収益を得て、売上金をラオスの子どもたちのために寄付するというものでした。チャリティハーブガーデンプロジェクトと銘打ち、これに協力してくれる人を募集する旨を社員に呼びかけたところ、いっぺんに100人集まったんですよ。こちらもびっくりしたほどですが、身近なところでのちょっとした活動で、海の向こうの子どもたちが学校に通えるようになるといったストーリーが良かったのですね。

社会貢献活動も、楽しくて目的が明確であればみんな参加してみたいのです。当社では、従来活動に参加していたのは総務部の社員ばかりで、事業部の社員はほとんどいなかったのですが、この時ばかりは違っていました。この時私が確信したのは、多くの人は、社会貢献マインドが無いのではなく、きっかけが無いだけだということです。企業の社会貢献活動の担当者が集まると、社員の参加を促すのに苦労しているという話がよく出てきますが、頑張って良い企画を作れば、必ず参加者が得られると思います。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

社会貢献マインドは、会社員が全員持っているべきものだと考えるようになりました。以前は私も、企業が実施する社会貢献活動を仕事と位置づけるための明確な理由を自分自身の中に持ち合わせていませんでした。

しかし今は胸を張って「仕事です」と言えますね。相手が反論しても、論破する自信すらあります(笑)!

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

地域社会と行政、企業が一体となる取り組みが増えてくると良いと思いますね。ボランティア活動は人と人とのつながり深める上で大変有効ですから、退職した団塊の世代の方々のパワーも、是非とも地域での活動に活かしていただきたいです。

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