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小暮淳子

vol.67


PROFILE

栃木レザー株式会社
営業本部 本部長
兼 マーケティングマネージャー

現在の会社での経歴と担当している主な活動

食品業界からの転身で、2005年8月より現職。
100%植物性のタンニン(渋成分)で鞣(なめ)す伝統的な製法で製造された革の味わい深さや耐久性、環境フレンドリーな素材であることを広く知ってもらうため、広報活動と新しい需要開発を担当。

趣味

冬になると室内に囲炉裏を置く。人を呼んで鍋を囲んだり、炭が燃えるのを眺めながらお酒を飲むのは最高。

好きな国or行ってみたい国

ハワイ。便利なものも揃っていて、なおかつ自然が豊かだから。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

母。子どもの頃から「女性も自立して生きてゆくべき」と身をもって教えてくれていた。

一番大事にしているもの

家族


木暮さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?
また、どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

笑顔の多い社会です。現代人に余裕がないからだと思うのですが、ギスギスしていると感じることが多いですね。自分中心で考えて自分の都合で動いてしまう・・・。もっと相手を思いやったりする心のゆとりが欲しいです。残念ながら現在は理想に遠い位置にあるような気がしますが、思いやりのある社会、笑っている人が多い世の中であって欲しいと思います。

どうすればというのは難しいですが、社会全体の価値観として、思いやりを求めてゆくことが必要だと思いますね。自分中心の世界観から一歩踏み出して、大きな中に自分がいるんだということを知ること。多様な価値観を知り、それを受容する心を持つことが大切ではないでしょうか。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

私たちがタンニンなめしにより製造する革の製品は、工業製品の比ではないほど手間をかけて手作りしたものです。もちろん、その分一生使っていただけるクオリティに仕上がっていると自負しています。決して安価なものではありませんが、フルオーダーの製品が仕上がったのを見て喜んで、「一生大事にします!」と言っていただけたりすると嬉しくなりますね。難しいのは、ヨーロッパのような革製品の歴史が長い所では、たとえ表面に斑(むら)があっても、天然のものの風合いとして逆に価値を見出すことが多いのですが、日本のお客様は、特徴として、あくまでも均質な製品をお求めになる傾向があります。こちらとしては品質に十分な自信を持っていても、一枚の革のほんの一部しか商品として適さないと判断されることもあります。もともと生きていたものの皮なので、完全に均質には仕上がりません。

特に私たちは加工にも天然の材料を用いていますから、この点は難しいと感じますね。また、納期の短縮を求められることも多いのですが、これも工業製品のようにはいきません。金属を使用して革をなめすのは、各段に手間がかからないこともあり戦後日本でも急激に普及しました。現在までピット(槽)式植物タンニンなめしの技術を守ってきた会社は日本中で当社のみです。しかし、最近になって、環境への配慮から金属を用いてなめすことが禁じられる国が出てくるなど、世界規模での環境への意識の高まりや、日本でもLOHASを代表するようなライフスタイルが注目される時代になってきたことが、逆に当社の追い風になりつつあります。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

職人によるなめす作業を最初に見た時は驚きました。最初は見るからに「牛の皮」という感じで、それが長い時間を経て、やがて製品としての「革」に変わってゆく。革製品は昔から食肉の副産物の加工品で、皮のために牛を飼育すると言う例は極めて稀です。しかし生き物からの恵みに変わりはありません。

それが職人によって丁寧に丁寧に仕上げられていく過程を目の当たりにすると、大切にしなくはいけないと心から思いました。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

「思いやる」ということを口にするのは簡単ですが、いざ行動で示すとなると、そうはいかないことが多いですよね。けれど、ほんのちょっとの心がけからできることもあります。人に対しても、環境に対しても、その「ちょっと」から手を付けて欲しいと思います。

相手が笑顔で接してくれるだけで、心がなごんだり・・・。人間そういうものなのですから。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

若街行く人の持ち物を観察するようになりました!「あの革は・・・」とか、「この人は物を大切にする人だな」とか。

それから、自分でも革製品のお手入れをするようにしたり、革に限らず、物を大切に扱うようになりました。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

本物の良い革を使ってください。製法によって、丈夫さも違いますし、やはり良いものは使い込むほど風合いが出てきます。良いものを見る目を養って、良いものを長く使いましょう。

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