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秋山裕之

vol.58


PROFILE

富士ゼロックス株式会社
品質・環境経営部 環境経営管理グループ
兼 CSRグループ グループ長

現在の会社での経歴と担当している主な活動

エンジニアとして入社し、海外研修を経て、経営企画や人事、社長秘書などの仕事を経験する。
2004年の4月より現職で、環境マネージメントおよびCSR推進を統括。
サステナビリティリポートの発行責任者でもある。

家族構成

妻、息子二人(18歳、16歳)

趣味

ゴルフ。夫婦でできる老後の楽しみは今から準備が必要と、練習場で妻を指導中。ただしあまり言う事を聞いてもらえない。以前は家族でのテニスも試みたが、部活で鍛えている息子たちに相手にされなくなり、転向した。

好きな国or行ってみたい国

海外研修で2年間滞在したボストンを再び訪れたい。ただし今回は勉強ではなくおいしい物を食べ季節の風物に浸りたい。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

研究者だった父親。世の中にないモノを創り出すことで社会に足跡を残している姿に憧れて育った。エンジニアを志したのも父親の影響が大きい。

一番大事にしているもの

家族とのコミュニケーション。家庭に限らず、コミュニケーションに関しては時間よりも質を大切にしている。


秋山さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

この地球が、子孫から預かったものだという表現が好きです。先祖から受け継いだものだというと、ともすれば既に受け継いだのだから好きにして良いような感じがしませんか?対して、次の世代からの預かり物だとすると、後世の人たちにどう受け止めてもらえるか踏まえた上で、どんな社会にすべきかと発想する必要があるので、目先のことだけ考えているわけにはいきません。それぞれがきちんと役割を認識し、先々の世代をも視野に責任を果たせてこそ、持続可能な社会が築けるのだと思います。役割分担の中でまず、国の最大の役割は、国民の安全と安心を担保することです。もちろん、この安全と安心には、環境のほか、人権、労働も含むわけですが、もっと言えば豊かな生活を保障することですね。これはあらゆるイデオロギーや宗教を超えて、国家が果たすべき責任の基礎になるものだと思います。にもかかわらず、一部の権力者の利権や政治的なかけひきと引き換えに、それを逸脱した行為がなされることがあります。それでは持続可能な社会は築けません。それから企業。企業が利益を上げてさえいれば良いという価値観が通用しなくなってきました。

最近はよく、「企業市民」という言い方をされますが、どんな企業も、よき企業市民を志向する文化が根付いて、社会変化に対する先駆的な取組み姿勢が評価されるようになってきていると思います。そして個人。もちろん個人にも、自己実現としての豊かさの追求がありますが、そこにも当然、次の世代のために何をすべきか考える上での重要な判断が含まれるわけですから、責任は重大です。誰しも後世の子どもたちに、「正しい判断をしてくれてありがとう」と言われたいと思いますが、そのために、今を生きるひとり一人が責任を果たさなくてはなりません。私は、個人が果たすべき最も重要な責任のひとつは政治への参画で、その基本になるのが、投票を通じた意思表示だと思っています。棄権はいけませんね。また、昨今では、地域社会における信頼関係が揺らいでいますが、健全な地域コミュニティの形成は社会を良くするキーワードではないでしょうか。何かあれば学校や警察の責任だという話になりますが、問題の一端には、家族単位でのコミュニケーション不足があるように思います。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

各々が役割を果たすことと前述しましたが、企業に身を置く者として日頃感じているのは、国境を越えて横断的な活動をする企業の役割は非常に大きなものだということです。とりわけ環境に関しては、企業は作ったら売れれば良いという時代もありましたが、今やどれだけ再生・循環させられるかに大きな力を注いでいます。

以前は、企業における環境といえば、公害対策のような性質のものでしたが、現在のそれはもっとずっと積極的なものですよね。企業の活動がグローバルであれば、当然、3R(Recycle,Reuse,Reduce)も国内のみで完結するものではありません。労働や人権の問題でも同じことが言えますが、企業活動そのものが国境を越えたものなのですから、企業が国際的にイニシアティブを発揮し、その取り組みの中で改善できるものもまた、少なくないと思うのです。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

入社以来様々な部署を経験しましたが、なにぶん今の仕事は地球規模と言いますか、言ってみれば地球相手です。すべてのステークホルダーと向き合う仕事でもありますから、アンテナも視野も相当広げなくてはいけない。社会問題そのものを自らの企業の問題にどう取り込んでゆくかというチャレンジもあります。地球相手と言っても、私などひとつの駒ではありますが、こうした役割を担えるというのは光栄です。たくさんのことを吸収しつつ、かつ発信していく必要があり、大変ですがやりがいのある仕事です。難しい点は簡単に言うと、「受け入れてもらうこと」ですね(笑)!。

CSRの基本的な考え方をまとめてそれを啓蒙してゆくことが担当者としての使命ですが、従業員すべての目がマルチステークホルダーズに向かって開いているのが理想とわかっていても、日々の業務の中でそこまで浸透させることは容易ではありません。その意味でも、例えば事業に環境側面が入ってきて初めて環境配慮型製品ができるように、本業の中に社会的要素を織り込み、そこに経済性を持たせてゆくのが重要です。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

私は2004年の4月1日付けで秘書室からこの部署に異動して来たのですが、異動の二ヵ月後に開催された、役員やISOの責任者たちが出席して行われた環境関連の全社的なワークショップで開会宣言をしたんですね。すると後日、「秋山がなんで開会宣言なんかしたんだ?

秘書はそんなことまでするのか」などと、複数の出席者から言われまして・・・(笑)。要するに、異動になったことを知る人があまりいなかったんですね。個人的な社内メールは控えるべきと、あえてご挨拶をせずにいたものですから。

こうしたらもっと社会が良くなる、というアイディアはありますか?

家族や地域社会のためにも、もっとお父さんを解放して欲しいです。・・・そんな私が一番早く出勤して最後まで残っていたりするので自分たちも早く帰れないのだと部下から異議が続出しそうですが(笑)、一方的に企業に物申しているのではなくて、自らに時間を開放することと生産性の向上とは一対の関係にありますから、自らが自らに時間を開放するという意味合いで、努力が必要だということです。今、企業は様々な制度を持っています。富士ゼロックスにも、育児や介護、ボランティア等のためのたくさんの制度があります。しかし、こうした制度に取得目標を設けて、何割の人が取った取らないを管理するのは少々違うと思います。

従業員は会社という自己実現の場において一定の成果と引き換えに報酬を受け取り、また、自ら作り出した時間において、メニューとして用意された制度を活用するという組み合わせなんだと思うんですね。・・・と厳しいことも言いましたが、難しいことは抜きにしても、お父さんをもっと解放すべきだと思っているんですよ!確かに工夫が必要ですが、これに関しては自戒の念を込めて(笑)、心から重要なことだと思っています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

家族に言われたのですが、本屋さんで立つコーナーが変わりましたね。もともと小説とかは読めない性格で、目を通すのは実務書が多いんです。

ですからその時の仕事によって手にとる本が変わりますね。よく本屋さんで待ち合わせをしますが、最近は自然と環境関連のコーナーに足が向いているみたいです。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

あまり肩肘張って言うことはありませんね。できることを考えて実行しましょう、ということくらいでしょうか。

家族や地域の中、会社の中、それぞれが属す組織の中で、自分のできることをしましょう。今の自分には、それくらいしか言えないようです。

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