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宇多弘行

vol.53


PROFILE

株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
業務管理本部 管理部 広報担当 次長
兼 エコソリューション開発部 次長

現在の会社での経歴と担当している主な活動

1979年4月(株)CSB・ソニー(当時)入社。
(株)ソニー・クリエイティブプロダクツに配属となり、化粧品、キャラクターマーチャンダイジングの営業及びマーケティング、生産管理、経営企画等を担当。
2001年(株)ソニー・ミュージックコミュニケーションズに異動、スペースプランニング部門を経て、2004年2月より現職。
昨秋から上記職務に加えて、ISMS/BS7799第三者認証取得のためのプロジェクト事務局担当。

家族構成

妻と娘二人(大学生・高校

趣味

スポーツ観戦(格闘技、サッカー、野球)、音楽、読書

好きな国or行ってみたい国

98年W杯フランス大会に日本代表の応援で行った折、帰りに立ち寄ったイギリスにまた行きたい。ついでにヨーロッパ中を回ってみたい。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

祖父。
田舎の一介の町医者でありながら、漢詩の本を自費出版し、釣りに興じる多芸多才な人だった。

一番大事にしているもの

『もの』ではないが、人と接するとき、相手の目線に合わせてのコミュニケーションを常に心がけている。


宇多さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

消費者である我々すべてが、モノの有限性を前提に消費を考える社会でしょうか。新しいモノを永遠に作り続けることなど不可能なのです。我々の暮らしを持続可能にするには、日頃使っている資源が有限であることを認識し、常に「再生できるものは何か?」という視点を持たなくてはいけません。消費者ひとりひとりが身近なところから環境のための消費を考える。なにも悠長なことを言っているのでなく、まずは踏み出さなければ仕方がないということです。

これまで化石燃料に頼ってきたものを、すべて代替エネルギーに切り替えましょうといったことは、大方非現実的に感じられ、個人の生活に落とし込んだ時、どうもやる気が起きないでしょう。しかし、少しずつ節約することで枯渇を先送りしていくことはできます。将来、科学技術が追いつくことを期待しての時間稼ぎでも、やらないよりはずっと良いとは思いませんか?

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

技術開発と同時に、意識改革が重要です。そのためには、特に次世代を担う若い人たちに向けて、適切な情報発信が必要です。私は、今の若い人たちの中に大きな可能性を見ています。今の日本は、「モノはあって当たり前」になっていますが、それを作ること、使うことでなぜ環境に負荷がかかるのか、できるだけ彼らに伝わる言葉を用いて説明し、ライフスタイルを再考するきっかけにしてもらいたいと願っています。ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)では、音楽発の「クールかつポップに地球と共生する生き方を模索する」<GREENSTYLE>というライフスタイルを提案しています。( http://www.smci.jp/greenstyledesign/ 参照)

環境にやさしいだけではなく、ひとにも気持ちいい暮らしを、私たちの専門分野であるエンタテイメントとからめながら実現させていこうという試みで、若い世代に積極的にアプローチすることにより、エコカルチャーのムーブメントを起こしたいと考えています。私は、いわゆる大量生産大量消費の時代を担ったベビーブーマーより後に生まれ、バブル時には中堅を担ってきた世代です。次の世代にバトンタッチするにあたり、最低限今自分たちのできることを、旗振り役としてやっていくことが与えられたミッションだと思っています。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

環境対策という、誰もがすべからく取り組むべきことに対し、我々が”Catalyst=語りすと”としてきっかけをつくれるなら、その一翼を担えるというのは大きな喜びです。奥行きのある仕事ですし、やりがいもあります。難しいのは、我々が<GREENSTYLE>でやろうとしていることが新しいことなので、先駆者がいない。お手本がないという点ですね。ですから、我々の思い描くように人と世の中が動いてくれるかどうかは未知数です。

<GREENSTYLE>での我々のビジネススタイルは、具体的に言うと、多くの企業に対し、いわゆるコーズ・リレーテッドマーケティング(CRM)を提案していくことです。自らが手を下す環境対策はすぐに取り組めても、こうした形で社会に広げてゆこうとすると、一朝一夕にはいきません。まだまだこれからの分野ですね。ただし、CRMが、特定の企業のみならず社会にとって重要なソリューションになりうるものだという理解は、世の中で少しずつ醸成されてきていると感じています。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

昨年、日経新聞の記者の方との貴重な出会いがありました。お会いしたきっかけは別件の取材だったのですが、<GREENSTYLE>のプロジェクトに共感してくださり、以来応援団のような存在になってくれています。これまで何度か記事にしていただいて、お陰様で反響も得られました。

私は広報の担当者でもありますが、我々は消費者向けの商品を持つ企業とは異なるので、SMCという会社が、どんな企業で何をしているのかを伝えることが外部への広報活動の中心になります。記事にしていただけたことは、SMCと<GREENSTYLE>の何よりのPRになりました。これから<GREENSTYLE>を広くコミュニケーションしてゆく上での足がかりになったと思っています。

こうしたらもっと社会が良くなる、というアイディアはありますか?

大上段に構えるのではなく、それぞれのセクターができることをすること。それは、セクターごとに活動してゆくというより、ゆるやかなアライアンス、あるいはコラボレーションによって、それぞれが手をつなぎ、より広がりのある活動をしてゆくイメージです。企業は、様々なステークホルダーとの関わりの中でその価値を見出していくものです。それが今日のCSRの中核を成す理念でしょう。ですから、ひたすら利益を上げることのみに注力するのではなく、企業が企業活動の中で、NPO、そして地球環境とそれぞれWin・Winの関係になるための構造を創ることを考える時代にきているのではないでしょうか。

寄付をすることで社会貢献はできますが、どんな企業も、寄付行為だけを純粋に行っていこうとすると、その時々の業績に左右され、健全な活動を支え続けにくくなります。だからこそ、前述したCRMの発想を取り入れてビジネスを通して継続していくことに意味があると思うのです。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

3Rを意識するようになりました。その中でもReduceですね。ReuseもRecycleも、買った後で発生することですが、そもそも後でゴミになる可能性のあるものは、買わない、使わないよう心がけることは、自分ひとりで完結させられますし、誰にでもできる環境保全の入り口でしょう。

この仕事に携わるようになって、私生活でも本当に必要なもの以外買わなくなりました。広報の仕事の中では、社内向けの文書のほとんど全てにPDFを利用するようになりました。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

<GREENSTYLE>は、音楽発の、“クール&ポップ”に地球と共生するためのムーブメントをつくる試みです。その中には、環境に負荷をかけないライフスタイルのための様々なアプローチがつまっています。

──今年は京都議定書も発効になりました。私たちのビジネスも、2005年という年を環境を考えるエポックメイキング的な年にするための一助になればと願っています。

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