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小野みゆき

vol.37


PROFILE

株式会社日立製作所
コーポレート・コミュニケーション本部
社会貢献部 部長代理

現在の会社での経歴

1989年入社。宣伝部、デザイン研究所(現デザイン本部)を経て、2000年より社会貢献部。部の立ち上げから参加し、日立グループの社会貢献活動方針の策定から、プログラムの企画運営、教育啓蒙活動等、一連の社会貢献活動推進業務を担当。

家族構成

母親

趣味

動物が大好きで、通信教育やセミナーを利用しながら動物愛護やケアの勉強をしている。大学で美術史を学んだので美術鑑賞も。

好きな国or行ってみたい国

好きな画家の出身地であるベルギー

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

仕事と家庭を両立させていた母親と、仕事への取り組み姿勢を教えてくれた上司

一番大事にしているもの

退職後には人と動物の共生に関わる活動に携わりたいと考えているので、その目標に向かって努力する気持ちを大切にしている。


小野さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

多様な価値観を尊重し合いながら、様々な人、そして人間以外の生き物を含めた地球環境が共存できる世界が理想ではないでしょうか。人間社会においては、本来当たり前のことが当たり前に成り立たないことの多さに危惧をおぼえます。他者を思いやるとか、相手の痛みを理解しようとする、人間としてごく基本的な気持ちの欠如が昨今の暗い事件の根底にあるように思います。現代人の多くが忙しすぎて心に余裕が無く、他人に興味が持てなかったり、相手の立場に立ってみる想像力を失いつつあります。

そこへ一気にITが普及し、ネット時代が到来しました。それは人類にとって夢のツールであったと同時に、ややもすると薄っぺらで人間味に欠けるコミュニケーションに終始してしまう可能性も高い技術であったと言われています。私も情報機器を提供する企業に属する者のひとりとして、ITの功罪を真摯に受け止め、人間がITをより良い方向に役立てられるよう考えていくことが必要だと思っています。

どうすればこの理想的な社会を築いていけると思いますか?

教育だと思います。受験対策のようなものだけでなく、幅広い意味での人間教育を充実させることではないでしょうか。とりわけ重要なのはコミュニケーション能力の向上を図ることだと思います。特に子どもたちには、知識を詰め込むのではなく、実体験を通して自ら学ぶ機会を豊富に持ってもらいたいですね。自然環境や他の生き物から学ぶこともひとつですし、異文化間の交流や、子ども同士に限定せず、親や先生以外の社会人と触れ合う機会をより増やすことも一案でしょう。

そうした中から、多様で豊かな生身のコミュニケーションを学んでもらいたいです。また、企業の培ってきた技術やノウハウの中には、子どもの教育に活かせる部分が数多くあると思います。有用なものは積極的に組み入れるべく、相互に協力していかなくてはいけないと考えています。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

かつての自分には縁の無かったNPOの方々との出会いは貴重ですね。自分たちの活動に、情熱と信念を持って取り組んでいる姿には刺激を受けます。また、人の反応がダイレクトに返ってくるのも面白いところでしょうか。

反面、目先の明確な数値目標がある仕事ではないので、仕事として何が成功なのかをはかり難く、その意味でモチベーションを維持し続けることが意外と難しいように思います。また、「これこそが日立の社会貢献だ」というものは未だ模索中の段階です。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

突っ走ってきたので、案外思い浮かぶことが少ないのですが(笑)、以前日立の社員が、その人が個人的に活動に関わっているNPOへの支援を社会貢献部に申し入れてきたことがありました。その当時、日立にはまだきちんとした支援基準や社会貢献プログラムがなかったため、要請に応えることはできませんでしたが、大変意義深い活動を行っている団体で、個人的にも大変共感を覚えました。それが、現在の(福)日本聴導犬協会です。

これをきっかけとして、社員がボランティアとしてサポートするNPOに会社が助成する、日立ボランティア支援プログラム「大きくなる樹」をスタートさせました。これによって、後に日本聴導犬協会への支援も実現し、現在では個人的にも関わりを深めさせていただいております。今の仕事を通して、こうした縁が持てたことを、大変嬉しく思っています。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

前述したように、幅広い意味での教育の充実を図ることだと思います。子供の躾は家庭が、その他の教育は学校が全て責任を持つと切り離してしまうのではなく、行政、地域、NPO、そして企業といった社会全体がネットワークを形成し、連携して支えていかなくてはいけないと思います。子育てにおいては、もちろん家庭がベースになりますが、特に母親がストレスを抱え込むケースが少なくありません。

英才教育ではなくても、「普通に育てる」ということを難しく感じ悩む親も多くいるのです。こうした親を対象にした教育もまた求められていると思います。日立グループの財団:小平記念日立教育振興財団では長年にわたり子育て支援活動を推進し、「子育て」「親育ち」にかかわるノウハウを蓄積してきました。こうしたノウハウを、できるだけ多くの皆さまにフィードバックしていくことの必要性を感じています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

純粋な気持ちと熱意を持って活動しているNPOや社員ボランティアと直接接する機会が多いため、日頃から「日立の社会貢献担当者としての顔」を意識するようになりました。

実際にできているかは別にして(笑)、どんな相手に対しても、相手の立場に立って考え、コミュニケーションすることを心掛けています。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

人間らしさ、人間が本来持っている力、つまり「人間力」を高めるための努力を怠らないことだと思います。忙しさを言い訳にしてはいけませんよね。繰り返しになりますが、大切なのは実体験だと思っています。色々な人や生き物、自然環境の中に思い切って飛び込んで、心と頭、身体を駆使して、感じ、考え、行動し、吸収したものを力に変えていく・・・。

それから、夢や目標というものは、果たす過程において困難がつきものですが、「この経験は絶対無駄にはならない。」と思うことで殆どのことは乗り越えられるものです。だからこそ、実現可能かどうかをまず考えるより、抱き続けることが大切なのだと思うのです。私は常々これらを自分に言い聞かせています。

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