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田村拓

vol.34


PROFILE

株式会社CSK
執行役員 総合企画部長
兼 社会貢献推進室長

現在の会社での経歴

(株)CSKで、事業戦略立案、組織・制度企画、新規事業、海外拠点の業務管理、社会貢献活動を担当。「21世紀の人材育成」を標榜し、こどもの創造力やコミュニケーション能力の拡張を支援するワークショップ・CAMP(Children’s Art Museum & Park)を京都・関西文化学術研究都市にある大川センターを拠点に立ち上げ展開中。MITメディア・ラボ、ナショナル・ジオグラフィック、NPO法人CANVAS、同バンゲアなどとコラボレーションも図っている。

家族構成

趣味

サックス、ボールルームダンス

好きな国or行ってみたい国

歴史を感じさせるところならどこでも。これまで行った中ではベルギーのブルージュ。イースター島ではモアイ像が切出された石切り場の風景が忘れられない。また、最後の夢は宇宙旅行。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

日々、さまざまな人から影響を受けている。

一番大事にしているもの

家族


田村さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

こどもから高齢者まで、すべての人々が“生きる活力”を失わない社会、将来 に向けた希望を抱ける社会が理想だと思います。日本は自らの豊かさを追い求めてこれを実現した結果、将来への方向感を見失っているようなところがあります。

しかし世界の一員として、やるべきことは山ほどあります。経済がグロ ーバル化している現在、自分だけが豊かで、また幸せでいられるということは ありえないと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

“やり直しのきく社会”というのがキーワードではないでしょうか。2003年の 労働経済白書によれば、就業者の25%が非正社員だそうです。数多くの若者がフリーターを選択しているわけですが、中には30代、40代になってその後の人生に絶望する人も多いと聞きます。最初の一歩を「間違えた」ために、そのまま正社員としての就業機会を失ってしまうのでは、ただでさえ人口が減少しているのに、もったいないの一言につきます。企業の側からみて、フリーターを長年続けた人材を組織に取り込むことに難しさがあるのは事実です。しかし、それを乗り越えて非正社員から正社員へといったキャリアパスを用意し、人材を積極的に活用する努力が求められるはずです。

逆にフリーターをやっている人たちも、企業文化に同調する努力や、新しい環境に順応する努力を怠ってはなりません。お互いが歩み寄ることにより、パートタイムやフリーター、派遣社員などを通じて得た経験や、潜在的な能力を活かすことが可能なはずです。たとえ20代の前半で目的を見出せずに迷う時期があっても、後でやり直せる。そんな社会を、全ての人が作っていくことが大切だと感じています。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

CAMP(Children's Art Museum & Park)という活動では、21世紀の人材育成を標榜し、未来を担うこどもたち自身が、自分に合った表現やコミュニケーションの方法を見つけ出せるよう、さまざまな創作ワークショップを開発、実践するとともに全国に発信しています。ワークショップは、お互いの立場や考えを理解し尊重することを学ぶ上でとても良い機会を提供していると考えます。

と はいえ、自分たちでは良質のワークショップを提供していると自負していても、 例えば公立の学校などでは、私企業の社会貢献活動とのコラボレーションは受入れにくいといった、制度や環境面での壁を感じることがあり、この辺が難し さになっています。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

子供たちとの交流でいつも思うのは、彼らの感性の豊かさや、能力の素晴らしさです。大人から見ると「むずかしいかな」と思えることも、平気でやって見せます。つまり、大人が勝手に子供たちの能力などを限界づけていることも多いと思います。

そんな能力を発揮させるためには、「何歳になったら大学」というような既存の枠さえも取り外して、自由で豊かに能力を開花させることを、大人社会は考えていってもいいのだと感じたことが、とても印象的です。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

「モノの豊かさ」を追求することが最終的なゴールではないはずです。日本もGDPの水準などから言えば、間違いなく最も豊かな国のひとつですが、経済 的豊かさをゴールにすることは、「豊かさ」の可能性に、カネで測れるという 限界を設けてしまうだけでしょう。本当に豊かな社会を実現させるためにどのような選択肢があるのか。そのことをもっと話し合えることが大切です。

日本人の価値観も確実に多様化しつつあり、会社が全ての人生ではなく、家庭や地域社会などのそれぞれにおいて何かをしようとする人が増えているのはとても良い傾向だと思います。また、企業も個人のそういう変化を理解することで、社会が本当の豊かさを模索するための貢献ができると考えます。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

企業人の立場から社会貢献を担当して改めて自覚したことは、本業においてきちんとした業績を残していればこそ、そこで生まれるゆとり、すなわち利益を 社会に還元し続けることが可能になるということでした。逆に、利益を出せな い企業では、社会への貢献も覚束ないわけです。

社会貢献活動に力を入れることができるためにも、企業としての業績を良くしていかねばならず、もうひとつの担当業務である事業戦略立案にも積極的な意義を感じます。この点で、企業人としての自分のバランスが良くなったような気がします。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

10年以上前に米国の大学院に留学しました。印象深かったのは、ひとりひと りの持つ「夢」を否定せず、例えば「宇宙飛行士になりたい」というこどもに対し、大人が「君ならきっとできるさ。ベストをつくして頑張ってごらん」と言って肩を押してくれる社会だということでした。これが日本なら何と言うだろう。「出来もしないことを考えずに、地に足をつけて生きなきゃだめだ・・・?」そんなことに思いをめぐらせました。

大人はこれからの時代を支えるこどもたちに対し、前向きな後押しをする存在であるべきではないでしょうか。 自分たちの経験を「語り」ながらも、こどもや若者の才能や能力、やる気の芽を大切に育てることが必要だと思います。

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