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水上陽子

vol.32


PROFILE

株式会社ナイキジャパン
マーケティング本部
パブリック リレーションズスーパーバイザー

現在の会社での経歴

1997年2月入社。カテゴリーPR担当を経てシドニーオリンピックやワールドカップ時のPRも担当。2003年よりコーポレートPRを担当しながら、コミュニティ・アフェアズ(社会貢献)を兼任。日本におけるナイキの社会貢献活動を立ち上げる。

趣味

テニス、トレッキング、フットサルほか

好きな国or行ってみたい国

国内外を問わず、自然が多い場所

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

母親

一番大事にしているもの

自分が心から楽しめることをすること


水上さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

人はそれぞれ、違った個性や能力を持っています。みんなが持つそんな可能性を十分に発揮しながら生きている社会が理想ですね。自分のやれることはどんなことか、それはいろんな共同作業や横のつながりができることで見つかっていくこともある。

企業もNPOや行政と連動しながら、増えていくフリーターたちや才能がある若者にもっと門戸を開き、それぞれが持つ可能性を引き出してあげるといった雇用環境ができればいいと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

「自分はどんなことをやったら心から楽しめるのかな」と、そんなことを考え、行動できるような環境づくりが必要だと思います。自分から能動的に「これをやってみたい」という意欲が湧いてこないと、とかく「指示待ち」といった受身の生き方になってしまいます。

たとえば企業も、社員の意欲を押しつぶそうとせずに、「それ面白いね、やってみようか」と、たまには自分の立場を忘れて共感するぐらいの許容量を持ち続けて欲しいですよね。つまり、社会や企業が、「人は楽しんで何かを自らの意志でやるときにより良い結果を導く」ということをもっと理解することで、より理想的な社会になると思います。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

手探りの中で立ち上げたプロジェクトに、3オン3を楽しむバスケットゴール(HOOP)を公園等に寄贈するというものがあります。ここを使って楽しんでいる人たちを見たり、友達になってコミュニケーションをとっていると、ささやかながら社会に貢献しているという実感が湧きます。

しかし一方で、こうしたプロジェクトはそれを受け入れる相手の立場というのも考慮しなければいけない。その面では、貢献する側と受け入れる側の「社会貢献ということの意義」に関する理解の差異があるような気もします。こうした意義の相互の理解や価値観を今後シェアすることが必要だと思いますね。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

ナイキとしていろんな社会貢献を行なう以上、各社員たちの共感や賛同、また企画提案や参加も呼びかけたいと思い、メールなどを使って連絡を行なっています。そうしたなかで生まれたものに「キッズチーム」という、ナイキ社員と養護施設などの子供たちとの合同運動会があります。

実際に行なってみると、参加した大人も子供以上に熱くなって、一緒になって楽しむことができました。これからも皆が「楽しみたい」というアイデアをどんどん募って、社会貢献活動のモチベーションを社内全体で高めていきたいと考えています。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

社会人になる前の、若い世代の人たちの持て余しているパワーを、有効に使うことはできないかなと考えることがあります。高校や大学で、自分の興味や関心を発見して部活などに力を入れる人たちが多い一方で、いわゆる「帰宅部」に所属している人たちも多い。でも彼らの多くは、何か熱中できるような対象を、きっと求めているはずです。

そうした分散しているエネルギーを、なにかの力に変えるべく集積させるコミュニティのあり方を、社会として考えてはどうかなと思います。NPOなどが多くできているのも、いいことですよね。一般のサラリーマンはあまりにクタクタで、自分のこと以外手が回らない。ですから、もっと社会に目を向けていける体力や精神力を持った層が増えていくということも、日本が抱える諸問題の改善に必要な新たなシステム構築なのだと思います。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

やはりいろんな人の立場というものを、考えるようになりました。自分とは少し隔たりのある世代についても、何を考えどんなことをして生きているのか、と、そのライフスタイルが気になるようになりました。

社会のあちらこちらに点在する諸問題を発見できるようになった自分がいて、やはり社会貢献の担当になることで視野は広がりましたね。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

もっと声をあげていくようにしましょう。テレビや新聞を見たり読んだりして、いろんな疑問や怒りがその胸の内に込み上げている人たちは多いはずです。

その「え、これでいいの?」という疑問を、なんとなくサラーっと流してしまうのは、そろそろ終わりにして、なんとか少しでも行動につなげる努力をしましょう。ひとり一人のちょっとした努力で、よりよくなることはきっと多いはずです。

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