クリックで救える命がある。

«前の語人   |   次の語人»

山口郁子

vol.30


PROFILE

中央労働金庫
営業推進部
NPO推進 次長

現在の会社での経歴

渋谷支店、総合企画部、広報室などを経て、2004年4月より現職。 2000年4月、国内初のNPO法人向けの融資制度を創設。 以後、ボランティアグループやNPO法人の活動支援を目的に、 社会貢献預金「NPOサポーターズ」や助成プログラム等を開発。

家族構成

趣味

カフェめぐり、コミュニケーション、お茶&器収集、旅行

好きな国or行ってみたい国

インドネシア(インドネシア語にも磨きをかけたいので)

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

両親、夫、出会ったNPOの人々すべて

一番大事にしているもの

家族、人や社会への好奇心


山口さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

すべての人々が持っている「多様な価値観」を認め合える社会ですね。そうした中ではたとえば仕事も、ただお金のためだけに働くのではなく、心を豊かにするために働くという価値観を企業や社会と共有できたらと思います。

こうした社会であれば、ひとり一人が精神的な充足感の中で、安心して心豊かに暮らし、働いていけるのではないかと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

まずはワーキング・スタイルの多様性をもっと社会が認めていくことでしょう。そのひとつにNPOがあります。NPOの活動は、利益は度外視して社会のために役立とうとする労働です。利益を最優先とせず、社会のために起業するさまざまな団体がもっと自由闊達に活動のできる土壌づくりが必要だと思います。日本の今の環境では、自分の時間を自分自身のことに使うのが精一杯です。

もっと、その時間を他人や社会のために使う、心を外に向けて開く、そんなゆとりをつくることが大切です。そのためには、社会や企業が、働き方・生き方の選択肢を増やす努力をすることが必要なのではないかと思います。そして、自らの言葉や行動で堂々と表現していくことです。もっと自由に本心を語っていいと思います。誰もが何かを一歩前に進めることができるのですから。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

社会貢献も含めて今の仕事は、マニュアル化できない部分がとても多く、後進の育成をどうするか、というむずかしさもあります。また、金融関係の保守的な風土の中で、新しいことをはじめていくというのはなかなか大変なことです。これは金融に限らず、多くの企業に共通しているのでしょうが、既存の仕組みを変えていくのはときに困難を伴うでしょう。

しかし一方で、そうした壁を打破し、NPOへの融資や助成という新たな事業を立ち上げ、そこで出会うさまざまな人たちと交流することで、働くことや生きることへの新たな価値観との出会いや達成感を得られるのは、何ものにも代えがたい喜びですね。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

自分の目的が定まらず悩んだ時期のこと。その暗闇から抜け出せた言葉をもらいました。それは、「組織の中で私には何ができるのかと考えるのではなく、社会の中でどんなことをするべきなのか、と枠を広げて考えてみよう」というものでした。

そうすると、いろんなアイデアが浮かんできました。この言葉が自分の中にあった、社会の中で自分が果たすべき役割、という欲求を目ざめさせてくれました。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

プラスアルファの力をだれもが持っています。一部のステークホルダーに対してのみ力を注ぐのではなく、その潜在的な力を社会に対し向けること。この力がこれからの社会の原動力となるでしょう。そして、一生懸命働くと同時に、人との出会い、語らいも大切です。仕事、遊びを通して、人々とのコミュニケーションをさまざまに深めること。

今私も、NPOに関する活動を通じて、社内・社外の仲間と情報を伝え合ってコミュニケーションを取っていますが、こうした活動は同時に、自分の発想転換にも大いに役立っています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

ポツンと一滴投じることで、その波紋は広がっていくのだ、ということを実感しました。つまり、自分を信じてメッセージを発信し続けることで、時代とともに組織も変わっていくのだということです。それまでは、既存の枠組みを変えたいと思っても、どう行動をすればいいのかわからずにいました。NPOの事業を提案するにあたり、自分の軸・スタンスというものをまず、しっかりと確立させることからはじめました。

そしてシンプルに語ること。こうして自分の視点を相手に理解してもらうようにして、あとは意見を述べていく。こうして波紋を広げていくことで、より多くの理解を得られるようになりました。また、仕事やNPOの活動を通じて多くの社会問題があることも学びました。そうした問題に対する社会的な関心を高め、解決していくためにはどんなことができるか、といったことも考えるようになりました。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

使いづらくなった既存の仕組みを、自分たちにとって使いやすい仕組みに、一緒に変えていきませんか?自分の目と心、そして言葉を大切にしていきましょう。ただがむしゃらに前へ進もうとせずに、自分のスタンス、足元を確認しながら、そして横のつながりを大切にしながら、前へ進んでいきましょう。

自分の生活をとりまく社会に対して関心を向けていく必要があると思います。すべて損得勘定で推し量るのでなく、成長しようという意志を持つ人たちは、どんどん手をつないでいく勇気を持ちましょう。そうすることで、人も企業も社会の中で共に生き、成長していけるのではないかと思います。

«前の語人   |   次の語人»

▲このページの一番上へ

語る

1〜101〜10

11〜2011〜20

31〜4031〜40

41〜5041〜50

51〜6051〜60

61〜7061〜70

71〜8071〜80

81〜9081〜90