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緒方麻弓子

vol.29


PROFILE

マイクロソフト株式会社
法務・政策企画統括本部
政策企画本部 社会貢献部 部長

現在の会社での経歴

1999年秋入社。2003年9月まで日本における社会貢献活動と、ビジネスと密接に関連した政策課題の、政府関係者に対する広報活動を担当。2003年10月から2ヶ月間の産休を経て現在は社会貢献活動専任。マイクロソフトの世界共通プログラムであるUP(Unlimited Potential)及び日本独自のNPO支援プログラムを推進している。

家族構成

夫、娘(7ヶ月の女の子)

趣味

以前はゴルフだったが、妊娠・出産後はヨガ。最近は近所の公園でのピクニックも趣味。

好きな国or行ってみたい国

以前訪れたアメリカの国立公園や自然保護地区。自然の雄大さと、それを守っていくシステムに感動した。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

自己の利益よりも公共のために尽くした祖父。個性が強く反面教師的な部分もあったが、それを含めて影響を受けた。

一番大事にしているもの

家族


緒方さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

多くの人が自分自身の能力を発揮できる社会ですね。皆が画一的な優等生モデルを目指すのではなく、各々が個性として持っている感性や資質を伸ばしていける社会。つまり多様性を受容する社会ではないでしょうか。この点では日本もずいぶん変わってきましたよね。企業では新卒入社の人だけではなく様々なキャリアを持った人が働くようになりましたし、採用時も入社後も学歴が以前ほど気にされなくなりました。

個人の持つValueの概念がより本質に近くなってきたように思います。あと必要なのは、これから社会に出る子ども達の職業観が広がり、個々の適性を活かせる選択がしやすくなる仕組みを教育の中に取り入れることだと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築いていけると思いますか?

教育の現場にもう少し発想の転換があれば良いと思います。子ども達はひとりひとりが得意科目や、得意分野あるいは興味分野を持っているはずですが、それをどう活かしていくべきかが描けません。自分の特性をいかに将来につなげていけるのかは従来の授業の中ではなかなか発見できないことです。学校で勉強を頑張って好成績をおさめたとしても、具体的な職業選択を迫られる年齢になって「何がしたいのかわからない。」「何ができるのかわからない。」と悩む人が多いのは無理もありません。

世の中にはたくさんの職業がありますが、そのうち彼らがイメージできるものはいくつあるでしょう。能力や適正ではなく、むしろ情報や知識の不足が選択肢を狭めているケースが多いように思います。幼い頃からの教育は何においても大切ですから、スキルの習得もしかりですが、人生のスタート地点に立つ前から行き詰まりを感じてしまうことのないよう、職業をはじめ人の生き方には幾通りものものがあり、自分の可能性は無限なのだと啓発していくことも必要だと思うのです。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害女性を対象にIT技術習得による自立を図るプログラムに取り組んでいますが、彼女たちに笑顔が増えたり就職できたりする過程を見ると本当に嬉しくなります。

難しい点は、NPOや自治体、あるいは他企業など複数のステークホルダーと共同で実施するプログラムの中で生じる作業で、目指すところや優先順位の微妙なズレを調整しながら一つのものを作り上げていくことですね。それぞれが熱意をお持ちなだけに、時に妥協点を見つけるのが大変なことがあります。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

DVの被害女性のためのプログラムの一環で、支援施設にボランティアで派遣するIT講師を社内で募集したところ、80名もの応募がありました。実は、「みんな本業の方で目いっぱいだから無理に違いない。」と思いつつ、ダメ元で募集をかけたので、嬉しい驚きでした。

このプログラムでは自らマニュアルづくりを申し出てくれた社員もいました。休日や仕事を終えた後深夜までミーティングを重ね、チームで作成してくれたんですよ。これには本当に頭が下がる思いでした。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

既存の学校というところは閉鎖された社会ですよね。そこに親や地域住民等の社会人が親密にコミットしていく仕組みをつくることにより、子どもと地域、一般社会との隔絶を埋めていけないものでしょうか。子どもが日常的に接する社会人は決して多くなく、場合によっては親や先生だけかもしれません。

そうした環境では仕事や社会人に対してごく限られたイメージしか持てないのは自然なことです。アメリカには実際にある例ですが、様々な職業分野の人が教壇に立つカリキュラムがあっても面白いと思います。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

地域社会に対する関心が非常に高まりました!今自分が暮らしている地域の情報、自治体やNPOの活動内容、中でもIT関連のものは特に知りたいですし、区報などにはきっちり目を通すようになりましたね。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

子ども達が自分の可能性を最大限発揮できるような社会、多くの人が前向きになれる社会をつくっていきましょう。経済的なものは基盤にこそなりますが全てではないはずです。

一見自分には関わりがないように見えることでも、実はめぐりめぐってつながっているのが社会というものですから、ひとりひとりの主体性が社会を良くしていけるのだということを忘れずに、頑張っていきましょう。

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