クリックで救える命がある。

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近藤奈美

vol.27


PROFILE

株式会社ジャパンエナジー
総務広報部 基本理念推進会議(事務局)

現在の会社での経歴

1990年4月入社(当時は日本鉱業株式会社)電子材料の海外営業、社内外向けの広報誌の制作などを担当した後、2002年4月に基本理念「エナジーの創造」の浸透・推進を図る部署に異動となる。2002年10月からはメセナ活動であるJOMO童話賞の担当もしている。

家族構成

夫、娘(小学3年生)

趣味

ママさんバレーで奮闘中

好きな国or行ってみたい国

大学でスペイン語を専攻したので、スペインなどラテン系の国に興味がある。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

娘の存在にポジティブな影響を与えられている。

一番大事にしているもの

家族


近藤さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

私が理想像にするのはアニメの「となりのトトロ」の世界観です。都会のようにモノは揃っていませんが、そこには“ほんわかした”時の流れとコミュニティーがあります。現代は、かつて私たちが描いた未来像が技術的、物質的にずいぶん実現されている社会だと思いますが、文化や精神的な部分で「昔は良かった。」「現代は殺伐としている。」と古き良き時代と呼ばれる頃を懐かしむことも多いですよね。いったんリセットして、おだやかだった時代に立ち返ってみると見えてくるものがあるように思います。ものごとによっては、スピードが重要なファクターになる場合もありますが、人の心の在り方や人間関係を築くにはそれなりの時間が必要です。

我に返る時間がなくスピードに流されていては血を通わせることはできません。──昨今のニュースには母親として不安にさせられることが多いです。日本人は、生きるために命のやり取りまでせざるをえないような差し迫った社会で暮らしてはいないですよね。諸外国と比べても安全で平和であると言えるでしょう。にもかかわらず、傷つけ合わなくても生きていけるはずのこの国で、虐待やいじめ、DVなど弱い者に対する暴力がなくならない。一度立ち止まって考えてみなくてはならない時がきているように思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

現代社会を見つめ直して、私たちに本当に必要なものが何かを考えた時、ある種の発展はもう充分ではなかろうかと思えてきます。少なくとも、日本を含めた“足りている国”の人たちは、世界中の多くの人たちが貧困の中で生きている事実に目を向けることにより、私たちの暮し向きがどれほど恵まれているのかを自覚すべきですし、一方で人の心を豊かにするのは必ずしもモノではないのだと改めて知るべきだと思います。問題意識は持っていても、社会に対して自分を非力に感じる人は多いでしょうし、その気持ちはよくわかります。

しかし翻って考えてみると、自分一人でできることがほんの小さなことでも、みんなが一斉に消極的になれば、そこで生まれるマイナスのパワーは非常に大きなものです。だからこそひとりひとりの意識と行動が大切になってくるのです。難しいことをしようとしなくても、ご近所や地域、子どもの通う学校といった手の届く範囲でのコミュニケーションを改めていくだけで、社会は少しずつあたたかくなっていくものだと思います。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

社員参加型の企画が多いのですが、何と言っても参加してくれた人からの反響が励みになります。「こういう企画を待っていました!」「また参加したい。」などの声を聞くと、やはり嬉しいですね。難しい点は、企業の取り組む社会貢献活動として何をどこまでやるべきかを見きわめることですね。

企業としては、本業あっての活動ですし、社員に理解、納得してもらわなくては続けられないことです。そこには「ジャパンエナジーらしさ」や目に見える成果も求められます。ですからプレッシャーもありますが、それを含めて良い経験をさせてもらっていると思っています。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

昨年夏に社内でチャリティー古本市を開催しました。募った古本を一冊100円か200円で販売し、売上を寄付するのですが、本を提供することと購入することの両方が社会貢献になるというコンセプトは大変好評でした。約1600冊集まった本のうち三分の一以上が売れ、中には両手に抱えきれないくらい買ってくれた人もいました。

開催する前はダメ元でやってみようという気持ちでしたから、成功して嬉しかったですね。このように皆で少しずつ負担なく参加できる企画を考えるようにしていますが、今後は社員を企画段階から巻き込んで、その中で喜びや達成感まで感じてもらうことを目指していきたいです。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

意識の高い一人がたくさん抱えるよりも、より多くの人が、小さなことをひとつでも多くできるようになるのが理想的だと思うのです。企業がそのためにできることは“きっかけづくり”ではないかと考えています。

最近当社のホームページで始めたクリック募金もそうですが、より多くの人に、ハードルの低い社会貢献の仕方や仕組みを提案し、入り口にしてもらうことこそが企業の担える役割だと思います。そしてその先で各自が広がりを見つけてくれたなら素晴らしいですね。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

実は担当者になるまで、募金箱に小銭を入れる以上のボランティアをしたことがなかったですし、自分で企画したり体を動かす立場になることは想像していませんでした。仕事で携わるようになってからは、地域のことなどにも自らかかわろうという意識が芽生えましたね。昨年子どもの学校でPTAの役員をしましたが、これも以前なら「自分は仕事もしているし面倒だから誰かに任せたい。」と避けていたことです。

それに関連してもうひとつ変わったのは、子どもの学校生活の中で納得のできないことがあると、以前はすぐに学校に不満を抱きましたが、自分の子ども一人にも、多くの人が関わってくれていることの有難さが実感できるようになり、相手の苦労も汲めるようになりました。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

一人の力では変えられないことがたくさんありますが、昨日までできなかったことを、今日一人でも多くの人がひとつでも多くできれば、大きなことも動かせるかもしれません。

無理をしても続きませんから、ちょっとしたこと、身近なことで構わないと思います。今日からみんなで始めてみましょう。

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