クリックで救える命がある。

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木下香奈

vol.24


PROFILE

エム・ティー・ヴィー・ジャパン株式会社
マーケティング本部 マーケティング部

現在の会社での経歴

2001年8月入社。半年の間社長秘書兼通訳を務め、その後マーケティング部に。2002年よりMTVジャパンが実施する社会活動『MTV THINK LOUD』に携わり、HIV/AIDSの認知・予防啓発活動キャンペーンを推進する。

家族構成

ルームメイトと楽しい二人暮し。

趣味

ボディボード

好きな国or行ってみたい国

子どもの頃7年間過ごしたアメリカが懐かしい。趣味のボディボードを満喫したいので、良い波の来るバリや台湾にも行きたい。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

入社当時の上司だったイギリス人社長。どんな時も気遣いをもって人と接することができ、ユーモアを絶やさない人。「史上最高のボス」だと思っている。

一番大事にしているもの

友だちと家族。一緒にいると本当の自分を思い出せる。


木下さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

「真面目なトピック」について、いわゆる優等生だけが考えているうちはダメだと思います。誰もがそれについて考え、自分の持ちうる影響力を全体に活かしていける社会が持続可能な社会ではないでしょうか。

また、シンプルなことですが、身近な人間関係から企業間のことに至るまで、みんなもっともっと寛容になれると思うのです。必要以上の競争心や自分の都合ばかりにとらわれていて、余計な緊張や誤解を生んでいるケースが多いように思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

どんなコミュニケーションにも共通して言えることですが、これは呼びかけるべき問題だと気付いたとき、単に発信するのではなく、フレンドリーにクリエイティブに、それぞれの目線に合った伝え方をするよう心がけなくてはいけません。

伝えたい相手の知識や関心のレベルは、多くの人に伝えたいと思うほどに様々です。必要なのはやはり思いやりなんだと思います。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

私たちMTVジャパンのターゲットは若い層が中心です。加えて、ファン層の傾向として言えることは、いわゆる優等生タイプではないということです(笑)。HIV/AIDSのような、真面目なトピックに対して、彼らがどう反応するのか、キャンペーンをスタートさせる前はとても不安でした。結果としてはその不安が吹き飛ぶくらいの反響があったのですが、このように、通じた!届いた!という実感が得られたときは嬉しいですね。難しいのは、これは企業として取り組むべきことなのだということを社内外に訴えて理解してもらうまでのプロセスでしょうか。

それにはものすごいエネルギーを使いますね。企業としてのインフラを活用して行うことですから、志や情熱だけでは成立しません。一方、ボランティアサークルの学生さんなどを動かしているのは志と情熱です。彼らとは活動を通して接点がありますが、そんな彼らに対し、「よくわかる!良いことだと思う、全部やってあげたい!」と言いつつ、「ここまでの応援はできますが、ここから先は自分たちで頑張ってください。」と突き放しもする自分を、時々二重人格に感じることもあります。(笑)

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

先ほどお話した、HIV/AIDS啓発キャンペーンの一環で、面白かったのは、ウェブとモバイルで実施した「Sex Quiz」です。性感染症について正しい知識を得てもらうことを目的としたものですが、ちょっとキワドイ感じのものを盛り込んだり、面白みを持たせ、若い人の興味を引くよう工夫をしました。この「意見募集」のところに、思いがけずたくさんの方が声を寄せてくれました。「知らなかった。勉強になった。」という嬉しい声が大半を占めたのですが、その中に何人か、HIVの当事者や感染者の友人の方がいました。

いずれもティーンエイジャーです。「こんなに若い子たちが、命に関わる切実な問題を必死で受け止めている。HIVを抱えながらも日々生活をしているんだ。」と想像するにつけ、自分なんか、実は何もわかっていなかったのではないかという気持ちになりました。日本においても、HIVはもはや非日常的な病気ではないのです。この問題を、なんとか伝えていかなくてはいけないと思いましたね。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

MTVはワールドワイドでHIV/AIDS啓発キャンペーンを行っています。患者が初めて公表されてから20年以上に渡りずっと続けてきています。この問題は常に、今も緊急事態であるはずで、訴え続けなくてはいけません。けれども、いかにも熱心そうな人だけが発信したり、堅い表現ばかり用いていては、多くの受け手には届きません。FUN(楽しさ・遊び心)の要素が必要なんです。MTVでは、毎年キャンペーン用にオリジナルグッズを作ります。去年はザ・ボディショップさんとのコラボレーションでコンドームパッケージに入った缶バッチを作りました。

一昨年はリーバイスさんやサガミさんと共にオリジナルコンドームを製作・配布してターゲットへのリーチを図り、デザインを含めてとても好評でした。また、このキャンペーンには、本国アメリカで大勢のビッグアーティストが協力してくれています。彼らには、服装も髪型もそっくりに真似るようなファンが何万人もいて、彼らもその影響力を自認しています。こういった形でその影響力を活かすのは素晴らしいことだと思います。けれど日本では、こういった意識を持ってHIV/AIDS問題に取り組んでくれるアーティストの方々はまだまだ少ないです。私たちも、もっと頑張らなくてはいけませんね。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

私たちはHIV/AIDS啓発キャンペーンを行っているわけですが、これによって、女の子でもコンドームを持つようになるとか、パートナーと話し合えるようになるのが、一番近いところでの到達点です。翻って、それを私自身が実践できるかどうかですよね。キャンペーンに携わるようになってから、化粧ポーチにコンドームを入れて、常に持ち歩くようになりました。

肝心なのはこれを隠さないことです。今、コンドームにはかわいいパッケージのものがたくさんあります。機会があれば「見て、見て!」という感じで、プライベートでもあちこちでアピールしています。「真面目なトピック」への話題の入り口を作れて良いですよ。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

争い事とか、差別、偏見のようなネガティブエナジーを、遊び心を取り入れながら、いかにしてポジティブエナジーに変えていくか。

LOVE&PEACEを望む気持ちをいつまでも持ち続けたいですね。

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