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田貝正之

vol.23


PROFILE

株式会社東京三菱銀行
総合企画室 主任調査役

現在の会社での経歴

ロンドン7年、ボストン1年の海外勤務を経て、2000年から経営のスタッフ職に。ホワイトカラーの生産性向上とマーケティング以外のコミュニケーション戦略を中心に社内改革を推進。持続可能な社会の実現に向けた諸施策の企画・実施とコミュニケーション。社内イントラネット(通称:OPEN)の管理人も担当。

趣味

頭が真っ白になるほど汗をかくこと。

好きな国or行ってみたい国

ミャンマー(インスピレーションで)。幼少時代をすごしたベネズェラなどカリブ海諸国。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

誰がしかがやらなければいけないことを率先して行なえたり、献身的な思いやりで他と接することのできる普通の人たち。

一番大事にしているもの

健康


田貝さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

よりよいものを残していこうという、責任感やコンセンサスの共有できている社会が理想ではないでしょうか。人間はほっておけば“I want it all! I want it now!”(Queen)です。そうした無限のニーズを満たすことが、どんな影響を全体に与えているかまでは考えていないことが多いのです。また、これまで多くの人々の間で「持続可能な社会は、技術の進歩が実現する」と言われていることは、解決の一要素にすぎないということをちゃんと認識すべきだと思います。

今の人間の無限のニーズに向けられるエネルギーが、よりよい社会・環境を残すことに少しでも向けられて、人間の安全保障が共通の課題として認識されて、その上に人権があり、人間が人類・地球の共通のテーマに責任をもつといった意識が生まれた社会が理想的と言えます。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

「持続可能な社会とは?」というテーマを、もっと一般的に、人類共通の課題にするべきですね。そのために、ゆとりのある人から率先してさまざまな価値観を見直していくことが必要でしょう。たとえば仕事で使う鉛筆1本にしても、多くの人は1本28円という、単なる価格の認識しかありません。しかし、鉛筆をつくるために必要となった資源や排出したCO2を考えれば、本当は30円なのでは? といった、物事を単体でなく全体とのかかわりで価値基準を設定していくような発想ができないでしょうか。

物事だけでなく、企業などの価値基準も同じように変えていく必要があるのではないでしょうか。また、危機が目前にならないと腰を上げないという風潮は変えていく必要があります。「今やらなければ遅い」というデータに基づいたメッセージをどんどん発信していくべきですね。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

ステークホルダーの中でも、従業員は重要な位置付けにあると私は考えています。従業員がポジティブかつアクティブでなければ、その会社は社会に向けてアクティブになっていけません。そこで、社内ネットを革新して、従業員がどんどん積極的に発言できる掲示板を作りました。

そこで勇気を持って発言してくれる社員たちとのコミュニケーションが生まれたことが喜びです。難しさという面では、自社のスタンスを単独では決めにくいという点にあります。それは、金融機関は社会とともに成長するからです。それだけに広く社会とのコミュニケーションが大事だと思っています。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

あるボランティア団体とお会いしたときに、その方がある金融機関の不良債権額を引き合いに出して「それだけのお金があれば、もう日本中はバリアフリーになっているのに、もったいない」と、嘆かれていました。

その一言は身につまされました。お金はじょうずにやはり使っていかなければいけないですね。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

世の中のさまざまな動きを分析的(部分的)だけに見るのではなく、包括的・総合的に評価していくという考え方が必要です。そして前述したように、新たな価値観での評価をする。たとえば、お金を稼ぐではなく、「サステナビリティを稼ぐ」というような価値観を創出するのです。こうした価値観の創出や共有に欠かせないのがコミュニケーションです。人間の存在価値は、コミュニケーションできるということ。コミュニケーションとはすなわち、相互の意志を的確に伝え合うよう学習するという行為です。

自分の思い込みを捨てて、より高い理解を目指していく。社内ネット「OPEN」が目指すものはまさにこの相互コミュニケーションの大切さであり、それにより能動的にアクションを起こすという学習です。つまり今重要なことは、多くの人たちがより全体的な視点を持って、一歩自ら動いていくということなのでしょう。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

物事にはプラス・マイナスの両面があり、1かゼロかではない、という視点を持てるようになりました。それまでの近視眼的な視野から、一歩引いて物事を見ると、いろんな見方ができるのだということを学びました。

また個人として果たすべき役割だけではなく、企業としてなにをなすべきか、という視点も持てるようになったのは大きな変化だと思います。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

以前はオーケストラ演奏を観ると、各パートの演奏者は「自由を奪われていてかわいそうだな」といった見方をしていました。しかしそうではなく、全体としてより良いアンサンブルを奏でることを精一杯に目指しているのだと、気づきました。

お互いが個々を認め合うことが大切です。そして自分たちの選択肢を広げて、行動、価値観、ものの見方など、勇気を持って前の日と少し違うことをやってみることで、可能性は無限に広がっていくでしょう。

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