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西谷由布子

vol.19


PROFILE

東京海上火災保険株式会社
総務部社会環境室
※現 東京海上日動火災保険株式会社
経営企画部・CSR室
経営企画部CSR室主事

現在の会社での経歴

現リスク管理部で財務部門のバックオフィスとして外国債券・デリバティブの計上管理業務等を担当後、2002年7月より社会環境室へ。環境マネジメント・システムの管理や環境啓発・環境広報など、環境全般に関する業務を担当。

家族構成

母親と二人暮し

趣味

旅行

好きな国or行ってみたい国

イタリアが好き。食事を楽しみ家族との団欒を大切にするなど、時間がゆったりと流れている。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

頼りないようでいて、芯が強く生真面目な母親。

一番大事にしているもの

真に信頼できる友


西谷さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

すべての人が、自分のことだけでなく、環境も含めた全体のことを考えることのできる広い視野を持って暮らしている社会です。人は、便利で快適な生活環境にぬくぬく過ごしているうちに、自分ひとりが楽しく生きていければよいという安易な考えに流されがちです。私自身もそうでしたが、日々の忙しさに追われ、モノは使い捨てで、その後それが環境にどんな悪影響を与えているかなど、省みることもなかった。

今の部署に配属されさまざまな環境問題を学んでいくうちに、自然にこれまでの自分を見つめ直す機会を与えられ、多くの気づきを得ることができました。「自分だけよければいいのではない」──。地球のこと、そしてそこに暮らすみんなのこと、私達はもっと視野を広げて生きていかなければいけないのだと。各自が個と全体をともに見つめて暮らす社会が、私の理想とする社会です。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

「本当の豊かさってなんだろう?」まずはそんな問いかけを真剣に自分自身にしてみることから始まるのでしょう。私自身がそうであったように、「豊かさ」の中味が、「便利さ」や「快適さ」、「経済」第一の価値基準から、逆の発想とか、もっと多様な方向に変わりつつあるような気がします。これは個人だけでなく、企業というユニットにおいても、また、社会全体という集合体においても問いかけていくべき課題です。個人でできることもありますが、やはり組織的な大きな力でしかできないこともあります。もう、個の利益優先という価値観にはひずみがきていることを、多くの人が気づいています。

しかしまだ、某大国が地球温暖化防止のための京都議定書を受け入れないなど、世界の価値観というのは、地球の未来のために、個の利益という発想を超えて足並みがそろうということはありません。豊かさとは何かをめぐっても、おそらくさまざまな価値観があるでしょう。その相違を認め合いながらも、お互いにとって本当に大切なこと、本当の豊かさをきっと理解し合えるはずです。地球という共通の家の存在は、だれにとっても重要で、そしてその未来は待ってくれないのですから。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

環境フォーラムの開催、NGOやNPO団体との関わりなどにおいて、自分の視野がこれまでになく広がり、具体的に環境問題の改善に小さなことでも行動に移せるようになったことが喜びですね。逆に難しいのは、この自分の中に起こった意識変革、気づきというものを、どう他の人にも伝えられるかという部分です。

以前の私がそうだったように、やはり、日常生活と環境問題が身近ではない人もいますから。これからはさまざまな活動を通して、少しでも気づきのきっかけを与えられればと思います。

今の仕事を始めてから体験した印象的なエピソードはありますか?

当社は1999年の創業120周年記念事業として、東南アジア5カ国でマングローブの植林を開始しました。昨年11月と今年2月に私もタイでの植林活動に参加したのです。実は私は皮膚が弱いので、そのことを懸念していたんですが、炎天下での泥まみれ作業にもかかわらず、皮膚に症状が出るということがまったくなかったんです。

これは驚きでしたし不思議な体験でもありました。現地の人のあたたかさに触れながら、大自然の中で一心不乱に作業をしていたことが、日本では体験しがたい精神的ストレスフリー状態をつくったのでしょう。やはり汚染とは無縁の自然環境というのは素晴らしい、とつくづく実感させられました。

社会がこうしたらもっと良くなる、というアイデアはありますか?

企業と個人がそれぞれに環境のことをもっと考えるために、まずは環境教育というものがしっかり確立されることが必要でしょう。例えば学校教育の中にこうしたものがあれば、子供のうちから環境を考えるということが自然と身に付きます。企業も社員の環境問題への意識付けをもっと積極的に啓蒙すべきです。また企業は同時に、消費者へ自社の取り組みをもっとアピールすべきでしょう。CSRということが注目されていますが、企業が本業である製品や商品を通じて、また当社のような金融機関であれば投融資行動においても、自社の環境配慮などの姿勢を積極的に示し、社会に対してメッセージを送ることが重要だと思います。

そうすれば、それらを選択する消費者たちの意識改革にもつながります。企業と消費者が同時に問題意識を高め、行動していく、このような好循環が大切だと思います。また、こうした意識改革で大切なのは、強制されてできるものではないということです。自然と自分の中に湧き起こってくることで、行動に移せる気づきとなるはずです。そうした自発性を育てるための環境教育が必要なのでしょうね。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

以前はよくペットボトルのドリンクを毎日買って飲んでいました。でも今は魔法ビンを持ち歩いているんですよ(笑)。もしこの仕事に携わっていなければ、そんな自分の姿を「かっこ悪い」と思っていたでしょうね。

誰に強制されるでもなく、むしろ今は、そうすることが自分が気持ちいいから、自分の心が豊かになれるからしてるんです。環境問題とそれをめぐる多様な価値観との出会いが与えてくれた気づき、目覚めにとても感謝しています。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

「私達はみな、このかけがえのない地球に生かされているんだ」ということを謙虚になって、もう一度、みんなで一緒に考えていきましょう。

私はまず、友人に問いかけようと思います。まずは身近な人と、一緒に意識を変えていくことで、きっと大きなうねりになるだろうと信じています。

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