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三ツ川卓生

vol.9


PROFILE

エスク三ツ川株式会社
代表取締役社長

現在の会社での経歴

1977年現在の会社に入社。当時、浄化槽の清掃などを主とする事業を行って安定収益を得ていたが、その後新たに本格的な廃棄物リサイクル事業に乗り出す。現在は個人的にも環境カウンセラーとしてコンサルティングも行っている。

家族構成

妻、子ども3人(25歳を筆頭に全員男の子)

趣味

もともと骨董が好きで、現在はヴィンテージカーが一番の趣味。ヴィンテージポルシェのファン。

好きな国or行ってみたい国

自称南の島症候群。南の島で充電ではなく(溜め込んだストレスを)放電したい。都市では新婚旅行で訪れて以来パリが好き。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

出身校同志社大学の創始者である新島襄。遊学を志し当時の国禁を犯して単身アメリカに渡り帰国後大学を設立した彼に、少年時代から強く憧れた。

一番大事にしているもの

家族と社員


三ツ川さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

うまく経済が回っていかなくてはいけないと思っています。人間はより良い暮らしを求める生き物ですから、経済を止めるわけにはいきません。ただ、つぶして変えてゆく事によって回していく経済、大量生産大量消費の経済ではなく、今あるものを使い続けることによって持続できるような価値観、そして経済を確立していく必要があると思います。具体的に言うと、エネルギーや物そのものではなく付加価値やサービスを経済にしていく社会です。例えば私はいつもこだわりのクリーニング屋さんにスーツを出します。料金は確かに高いのですが、とても丁寧な仕上がりで生地が傷みません。何度も出していると、量販店で新しいスーツが買えるほどの料金になりますが、そのクリーニングを利用することで、自分のスーツをより大切にする意識も生まれ、長く愛着をもって着られる。仮に買い替えることがあっても、社員が喜んでもらってくれます。

愛車も時に「これを修理するくらいなら、ちょっとした新車が買えますよ。」と言われますが、同じ車種で買い換えるのと比べて3分の1以下ならまず修理する方を選びます。良い物を永く使いたい。そういう意味ではブランド好きかもしれません。買うときは高いと思っても、例えばエルメスやマイセン、ローレックスを1年使って捨てる人はいないでしょう。品質、耐久性の面で一生ものであるということに加えて、やはりそれを大事に使い続けることに満足感を感じます。ただ我慢をするだけではなかなか長続きしませんし、「持続可能な社会ってこんなにしんどいんだ!」ってことになっちゃいます。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

良い贅沢をするということ、それは個性でありライフスタイルです。消費にも質や文化、それから個人の趣味をより強くを求めることが大事だと思います。高ければ良いというものではありませんが、さっきも言ったように、良い物には、大事に長く使い続けることで生まれる更なる価値、目に見えない付加価値があります。その付加価値に加え、維持・管理のために発生する技術とサービスを経済にしていく。これによって、経済を先細らせることなく、環境にやさしい社会に近づけると思います。私がパリを好きなのは、変わらないところです。パリは同じ首都でも東京と違い、形を変えないことによって魅力を保ち続けている都市ですよね。時代とともにその魅力は更に増すと思いませんか。建物を、古くなったから建て替えるのではなく、修繕・修復する。場合によっては後者の方がお金がかかりますけれど、歴史的景観を守ると同時に、環境負荷がはるかに軽く、なおかつ経済も縮まない。まさしく持続可能な良い例でしょう。都市づくりといった大きな事から個人の趣味まで、共通するものがあると思います。

それから、仕事柄リサイクルについては言いたいことがあります。循環型社会と持続可能な社会とは一緒に語られることが多いですね。そしてリサイクルが循環型社会の救世主のように言われてきていますが、リサイクルはそもそも地球環境のためのキーワードのはずなのに、無理なリサイクルによって逆に環境負荷をかけて持続可能性の妨げになっていることさえあります。よく、いわゆるリサイクル商品を作っても、なかなか売れないと耳にしますが、企業が製品を作ると、人間が知恵や手を使ってすること以外は、結局大きな環境負荷が発生するんですよね。それはリサイクル商品でも同じ事です。だから環境商品だといって作っても、売れない物であれば、たくさんお金をかけて手間をかけて、エネルギーやいろいろな資源を使って結局無駄な物を作っているということですよ。これは考え直す必要があるでしょう。

今の仕事を始めてから体験した、印象的なエピソードがあればお聞かせください。

今でこそ、廃棄物処理・リサイクルと言うと、環境の仕事と受け取られ、良いことをしていますねと言ってもらえるようになりましたが、一昔前は、(事業内容を)大きな声で言わない方が良いと人にアドバイスされることもありました。

私は自分の仕事に誇りもありましたし特段気にしませんでしたが、言うなれば汚れ仕事というイメージが強かったですね。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

様々なシーンでのお付き合いの中で、会社や私自身に信頼を寄せてもらい、その信頼関係が良い仕事に結びついてきたことが嬉しいです。難しいのは、環境を守るためには適正な廃棄物処理・リサイクルが必要と皆わかっていても、自分がそのためにどれだけコスト負担できるかと言うと、まだまだこういったことにお金をかけたくないというのが世の中の本音でしょう。「こんなにするの!?」という反応も多いんです。

当たり前にお金のかかることだと思ってもらえてはいないですからね。また、環境の分野で新たな問題が出てくるたびに、よし、うちの出番だ!と気概を感じ、やりがいもありますが、新しいことには先が見えないリスクがあります。この仕事は先行投資が大きいですから、その意味ではしんどいですね。

今の仕事に携わるようになってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

何もかも完璧に行動できているかと言えば決してそうではありませんが、何をするにも環境を意識しますよ。環境そのものが、ライフワークだと思っていますからね。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

自分のことをよく考え、しっかりとした価値観を持つことでしょうね。自分は、何を良しとするのか、何を必要としているのか、みんなそこを基準にして行動しているはずですが、一人一人がそれを改めて考える。

そして、有名な仏法の言葉ですが、「足るを知る」ということでしょうか。一人一人が足るを知らないとだめでしょうね。

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