クリックで救える命がある。

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藤田紀久子

vol.7


PROFILE

株式会社イオンフォレスト
THE BODY SHOP 社長室長

現在の会社での経歴

96年社長秘書として入社。99年より社会環境活動の企画運営を主な業務と社長秘書業務を兼務。その他企業広報などにも携わる。それ以前に蠕祥Г量魄秘書室勤務を経ているので秘書歴が長い。

趣味

歌舞伎鑑賞(言葉の響き色彩感覚、日本らしい価値観などが魅力)その他和洋を問わず舞台芸能の鑑賞が好き。

好きな国or行ってみたい国

最も縁の深いのがイギリス。アメリカや香港も好き。多様なものを受け入れる土壌のある所に引かれる。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

新入社員で(株)西友に入社した時の秘書課長。非常に仕事ができ、人間的にも魅力的な女性で憧れた。母親(60歳を過ぎてからパソコンのインストラクターになったパワーの持ち主)

一番大事にしているもの

問題意識を忘れない気持。向上心をもって前に進んでいくこと。


藤田さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

一部の人ではなく皆が社会問題について十分に知りうる、そしてそれについて考える社会です。例えば環境を熱心に考えるのは一部のストイックな人だけというのではなく、文字通り皆が当たり前に考える社会。また、私はよく得意分野という言葉を使うのですが、誰もがそれぞれの得意分野で社会的な役割を果たしていくのが社会のあるべき姿だと思いますね。各々ができること、得意分野を持ち寄って、広がったりつながったりすれば良いと思います。企業は企業でそれぞれの持つリソーシズの中で一番適切であろう役割を果たしていき、個人もしかりです。ザ・ボディショップでは若いお客様に近い立場から、エイズ啓発活動を行っているのですが、海外ではこの活動に積極的に関わっている著名人がとても多い。

昨年は南アフリカのネルソン・マンデラ氏の呼びかけによるコンサートにたくさんのアーティストが集まりました。こういった活動は何よりも若い人たちの心に届くはずですが、彼らはそれを自分たちの役割と自覚して行っているわけです。もちろん一握りのアーティストだけに使命があるわけではありませんが、役割を果たしているといえる一つの例だと思います。社会問題全般に対して言えることですが、一般消費者にできることもたくさんあります。例えば、ザ・ボディショップでは、支援を必要としている先住民や女性グループから原料を公正に仕入れる「コミュニティトレード」(フェアトレード)を推進していますが、お客様にはそういった商品を選ぶことでこのプログラムの大切な役割を果たしていただくことになります。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

今の段階ではやはり個人個人の意識のレベルを上げていくことが大切だと思いますから、日本でも、音楽やアート、文学などの分野で活躍されている人たちがその影響力をもっと駆使して欲しいですね。特に若い人たちは、考えていないように言われることが多いですが、若い人たちの中にこそ可能性を見ます。若い人というのは柔軟ですよね。可能性があるのですから、きっかけを与えられるように大人がたくさん種をまく必要があります。ザ・ボディショップは環境へのメッセージがデザイン化されたエコバッグ「SAVEバッグ」を販売していますが、そんなものは気休めにすぎないと環境のエキスパートのような方に言われたことがあるんです。

多くの若い人たちを含めて、今まで環境について意識のなかった人々の関心のレベルを突然最高値まで上げようというのは無理な話です。いきなり皆にストイックな生活をしようと呼びかけても簡単に実行してもらえるものでもない。だとすると、同じ努力をはらって、ものすごく水準の高い人を1人輩出するより100人、1000人が階段を一段上がれば良いと思う。これはすべての社会問題について言えることだと思います。

今の仕事を始めてから体験した、印象的なエピソードがあればお聞かせください。

私たちは学生や先生との交流が意外と多いんですよ。特に化粧品の動物実験の反対を打ち出しているので、それがインパクトがあるらしく、学生から声をかけてもらう機会があります。小中学生から学級新聞に載せたいので記事を見てほしいと言われたこともありますし、ある女子高の生徒さんに、動物愛護について文化祭で発表したいから動物実験についても教えて欲しいと言われて、地元の獣医さんと、捨て猫や捨て犬の里親探しの運動をしているNPOさん、それに数人の生徒さんを加えてパネルディスカッションをしたことがあります。

これは高校一年生が主体的に企画したものでした。しっかりしていて驚きました!実際に若い人が興味を持って何かしようとしているのに触れると感動しますね。地道な話ですが、まさにこれも私たちの役割だと思い、責任だとも感じているので今後もできる限り対応してきたいです。

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

(活動に関する)リーフレットを見て感銘を受けましたと言われることがあります。ザ・ボディショップはさり気なくウィットを忘れずに社会を変えていくことをミッションと考えていますが、ちょっとでも役に立っているのかな、と実感できる時はやはり嬉しいですね。難しいのは、熱心に環境の市民活動をしている方の中には、ファッショナブルなものとかお化粧そのものに抵抗を感じる方がいて、私は化粧をしないから化粧品会社には関係ない興味がないという態度をとられる方もいます。

いろいろな人が環境に携わっていくべきなのだから、化粧品会社が環境を考えるのは意外だな、というところで興味を広げてもらえると良いのですが。それに、ボランティアで高齢者の方にメイクをして差し上げることがあるのですが、メイクが人に与える影響にはびっくりすることがあるのですよ。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

私の場合は特に変わったことはないと思います。前職を含め比較的早い段階で仕事上触れる機会があったのも影響していますが、子どもの頃から地球や自然が気になるほうでした。小学校の確か国語の教科書に、もしアメリカ人と同じ生活を地球上のすべての人々が享受しようとしたら、現段階で既に地球はそのキャパシティを超えており受容できないという一節があって、それが子ども心にとてもショックだったんですよ。

30年近く前のことですが、思えばそこが始まりだったかもしれない。その頃はアメリカなんて行ったこともないしテレビで見るだけだったんですけど、一部の人が贅沢しすぎているから地球がもうパンパンじゃないか!と許せなく思ったんですね。(笑)そうですね、それが原体験になっているのかもしれません。子どもの感性はすごいですから、やっぱり教育は重要ですよね。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

とにかくもっと関心を持ってもらいたい。ものごとを斜に構えてとらえるような人が多いかもしれないけれど、ものごとに真面目に向き合うことは大事なことだと思います。

また、国際的なニュースについても報道の仕方が画一的だと思うことは多いですが、今の世の中、得ようと思えば違う角度からの情報も簡単に手に入ります。もっと主体的に情報をとりに行ってもらいたいですし、誠実に向き合って欲しいです。

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