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天坊智子

vol.5


PROFILE

キッコーマン株式会社
広報・IR部 社会活動推進室

現在の会社での経歴

入社後広報に希望を出したところ、広報の中の社会活動推進室に配属され、以来担当者として4年目。

家族構成

夫、子ども1人(2歳)

趣味

囲碁(子供のころから)、水泳

好きな国or行ってみたい国

まずは日本を知りたい。 あとは、圧倒されるようなスケールの 建造物や景色(ヴィクトリア瀑布など)を見てみたい。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

夫、両親、祖母

一番大事にしているもの

考え中。


天坊さんが描く、理想的な社会とはどんな社会ですか?

すべての人が当事者意識、問題意識を持って、自分を世界だとか地球の事実や事象との関係性においてとらえて考え、行動する社会ですね。特に日本でいえることだと思うのですが、自分自身が接点を持ちづらい事柄に関しては無関心になってしまう。飢餓の問題から環境問題、キレる子どもの問題まで、無関心から脱却して社会に目を向けることで個人がもっと開かれて、良い社会になると思います。良い社会を作ろうということ自体、自分だけで完結するわけではありませんから。地球規模で考えると、全体で伸びていくという発想がこれからは必要になってくると思います。これまでは追いつけ追い越せ、日本であればアメリカにキャッチアップするとか、自分のことばかり考えてきたようなものだと思うんです。

欲しい物を安く手に入れるために輸入をして、その先にある輸出国が開発途上国で、輸出をすることで必ずしも豊かになってはいないという事実を考えなかった。そこに行き詰まりが生じている。世界全体で伸びていくという価値観が大切で、その手段のひとつとして社会貢献の発想があるんじゃないかと思うんです。人間の体と同じで、どこかの国の具合が悪いのに自分の国は健康優良で問題ない、ということはもはやないはずです。心臓が丈夫なら、肝臓が悪くても元気だということがないのと同じです。小指ひとつケガをしただけで、大変不自由に感じるものです。ビジネスの面でも同じで、この先、一社だけでの成長はいずれ立ち行かなくなるという考え方がありますが、私もそう思います。業界全体で、あるいは業界の枠を越えて伸びていこうという発想が必要な時代だと思います。

どうすれば、この理想的な社会を築けると思いますか?

最も重要なのは、やはり無関心を解消することだと思います。CSRが注目されていますが、難しい方に向かってしまっていて一般の人たちの意識レベルと乖離してきているのが気になります。もっと身近な、水際のところで活動できないかといつも考えています。メディアの役割は大きいですが、メディアは大量の情報を流していますから、その中で取捨選択を行うとなると、受け手である人自体の問題意識に結局戻ってきてしまいます。そんな中で企業としては、自社の売れている商品を通じて効果的な消費者教育ができると思います。当社で言えば、醤油の蓋を取り外しやすくリサイクルが容易なエコキャップにして、ラベルにその説明を載せています。ちょっとしたことですが、日常の中で振り向いてもらう機会を提供しています。

身近で簡単なことからではないと、なかなか注目されませんから、人気商品を通じてのPRは効果的です。ただ、商品のラベルに環境に関することを盛り込みましょうということひとつにも、実際には現行ラベルを変更するとなると費用が発生しますし、まずは社内コンセンサスをはかる必要があります。そこで社員教育が重要になるわけです。私たちは社会貢献に関するPR活動を、社外と社内との二本柱で行っていますが、現在は、新人研修で手話の入門講座を開いています。座学の講義が多いなか、手話を使って自己紹介したり、歌を歌ったりと、毎年とても盛りあがっています。新人教育にはこれからも力を入れていきたいです。所属長研修ででも何かできると良いのですがこれはまだ未達成です。

今の仕事を始めてから体験した、印象的なエピソードがあればお聞かせください。

食品会社ですから、イベントも食に関するものが多いです。そこでのハプニングはいくつかありますね。NPOのハンガーフリーワールドさんと一緒に実施したイベントで、ウガンダ料理を作った時、メニューに野菜バナナのシチューというのがありまして、野菜バナナというのは、薄緑色をしている料理用のバナナで、味はどちらかというとイモに近いものなのですが、当日食材として届いたのは熟れていないから薄緑色なだけで普通のフルーツのバナナでした。

ためしにそれで少し作ってみたところ、かなり不思議な味がしたので急遽ジャガイモを調達して、バナナはデザートの材料にしました。それから、外国人をお迎えして和食を楽しんでもらうイベントの際には、こともあろうに醤油を用意し忘れ、急遽お土産に用意していた醤油を開封して使用しました!

今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点は?

イベントが良い例なんですけれど、社内外を問わず社会貢献の色が強いと構えられてしまって、あまり参加してもらえないんですね。NPOさんと実施する社内イベントでは、開発途上国の勉強会と同時に食のイベントを開催して、エスニック料理を出しますよ、おまけに、アサヒビールさんと共同でやるからビールも飲めますよ、(笑)等で参加者を募ったりしています。

NPOさんは寄付金で活動をしていますから、一部の大きな団体を除いては、広報活動がなかなか満足にできません。せっかく良い活動をされていても、それを一般に知ってもらう機会を持ちづらいわけです。ですから、一緒にイベントを開催して、その際にパンフレットを配布したりという機会をつくることは有意義だと思っています。

担当者になってから、自分の意識や生活の中で変わったことはありますか?

仕事で関わりを持つようになるまで、正直関心があったとは言えませんでしたが、今は、できることをしようと思うようになりました。世の中に諸問題あるなかで、こんなことをして何かになるのかと常に迷いはありますが、やらないよりは良いだろうと思うことにしています。

それから、NPOで活動されている方には熱い方が多いので、その根底に何があるのかにすごく興味があります。原動力の源が知りたくて、チャンスがあったら本人に尋ねてみています。

社会に伝えたいメッセージをどうぞ!

当事者意識、問題意識を持ちましょう。まずはそこからです。

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