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山ノ川実夏

vol.4


PROFILE

三井住友海上火災保険株式会社
総務部 社会・環境グループ 副長

現在の会社での経歴

住友海上で、社長室、経営企画部のような部署で事務職を7年。93年の創業100年記念に向けて100年事業推進チームができたのを機に、その中の社会貢献担当になる。以来、三井海上との合併後も変わらず社会貢献担当。

家族構成

夫と二人暮らし

趣味

10年ぶりに始めたコーラスとスキューバダイビング

好きな国or行ってみたい国

潜れるきれいな海のある所と、コソボ、ボスニアなどの自分たちが支援をしている国。実際に何度も訪れている。

影響を受けた人、尊敬する人、目標にする人

両親、入社時の上司(向上心を植え付けるのがうまかった。お陰で会社員としての今の自分があると思う。)

一番大事にしているもの

先入観を持たない、見捨てない、切り捨てないという気持ち


今の仕事をしていく上での喜びと、逆に難しい点を教えてください。

会社の連続休暇を利用して年に一回は支援先のコソボなどに行っているんです。NGOの方と一緒に、現地の人と交流したり、支援物資である衣料品等を配ったりしています。貴重な体験です。やはり、支援先の人たちに喜んでもらえる、それを直に見るのは嬉しいこと、そして大事なことですね。こうした人との心の交流は、この仕事をしていくうえで、何よりのプレゼントです。疲れやストレスが吹っ飛びます。

また、実際に現場の様子を自分の目で見ることで、次の活動のヒントが得られることも多いです。難しい点は、社員のボランティア支援をしていくときに、あくまでも自発的な活動であるべきなのですが、その第一歩をどうやって踏み出してもらうかという悩みですね。「楽しくてためになる、これなら続けてみようかな…。」と思ってもらえるような企画をいかに多く作り出すかが勝負です。

山ノ川さんが描く、持続可能な社会とは?また、持続可能な社会はどうすれば実現できると思いますか?

そもそも持続可能性ということを考えなくてはいけない時代になってきているということは、危うい時代だということですが、国家権力が悪い方向に導いていることが多いんじゃないですかね。戦争以外の解決策を見つけなくてはいけない。EUの試みは参考になるのではないでしょうか。歴史的にはいがみ合った経験のある国々が一つになっている。あの中で戦争になることはもうない気がします。世界中のあちこちに武器もあるし、核兵器だってあるから、ものすごい時間がかかると思いますけれど、戦争とは異なる選択を探すべきです。違う方向からだと、最近注目されているCSRは本気でやればすごく期待が持てる取り組みだと思います。難しいけれど正しいことだし、日本においては本気で取り組みだすと意外と早く進むんじゃないですかね。体質的に風通しが悪いとか、評価手法がおかしいから発覚するのを隠して不祥事が起きたりしてきましたけど、ほとんどの日本の企業は、いわゆるきちんとした企業だと思いますから。それからもうひとつは、人間も環境の一つだという意識を持つべきだということです。

昨今のBSEも鯉ヘルペスもそうですが、食用にするために人間が生き物を都合良く不自然に生産してしまうことのツケが現れている気がします。それで発生源としてそういった生き物を処分するなんて、天罰が下りそうですよね。持続可能な社会が何か描ける人はほとんどいないはずですけれど、社会の構造を含めて、このままではいけないのではないかという不安をベースにして、みんな考えていると思うんですね。難しいことですが、基本的には何でも思いやりと想像力だと思います。例えば最近のイランの地震でも、耐震構造の建物であれば、被害があれほどひどくならなかったかもしれない。貧しさが被害を大きくしているかもしれない。日本が技術を含めて援助をすれば、死なずにすむ人がたくさんいたかもしれないですよね。バランスが良くないと持続可能にはならないのに今は明らかにバランスが悪いですよね。貧しい国は本当に貧しくて、職もないんですから。私たちには、そのバランスを考える必要があります。

山ノ川様、個人として、どのように持続可能な社会に向けて取り組み、貢献していきたいと考えていますか?

うちは保険会社ですから、契約する時は紙一枚で、商品として機能するのはお客様に事故が起きてからですよね。事故があったとき初めて、それが良い商品だったか否かが決まるわけなんですよ。ですからその時の対応は本当に大切で、そこでお客様にがっかりされると会社として持続可能ではなくなる。対応にはやはり思いやりが必要になりますが、普段の意識や行動がにじみ出るんですよね。だから一見仕事とは関係ないようなボランティアを普段しているといったようなことが、仕事の上でも意味があると思うんです。

ちょっと異なりますが、地域生活の中でも日頃のコミュニケーションが大事です。近所に住んでいる者同士が普段挨拶もしないのに、例えば災害が起こったときだけ連携して助け合うというのは無理があります。だから私は、職場や同じマンションの住人への挨拶は徹底して行いますよ。みんな意外とできてないんです。控えめに挨拶しても返ってきませんから、かなり大きな声で言うんですね。聞こえない挨拶は挨拶じゃないと父にしつけられてきて、子供の頃はそれが嫌だったんですけど、今はその父と同じことをしています。(笑)

仕事・活動の中での、苦労話や、面白いエピソードを教えてください。

バレンタインデーで習わしだけの義理チョコをなくしたかったのがそもそもの始まりなのですが、子供地球基金というところから一枚ポジをお借りして、チャリティーバレンタインカードを作りました。「とても素敵な貴方だから、チョコの代わりに緑の地球をプレゼントします。」というメッセージ入りで、200円で売ったんです。二色刷で、義理チョコの最低ラインが200円くらいだったから200円です。印刷費に一枚100円かかって残りの100円が利益となり募金にまわります。まず女性に好評だったのと、たまたまマスコミに取り上げられたりして完売しました。それが私にとって最初のボランティアでした。幸運なスタートですね。最初が成功体験になったものですから楽しくなっちゃいました。現在はそれがクリスマスカード10,000枚に発展して、一般の方にも買っていただいています。それから、会社が合併したときにイベントを行いました。住友海上と三井海上と同じくらいの規模の会社の統合だったので、近いところに事業所がある場合は一つにまとめられました。

その際にいろんな不要品が発生するんですよ。大きな物から小さな物まで実に様々です。いろいろなNPOにお知らせして、全国16箇所で3,000点くらいのものを、内覧会を開催した上で引き取ってもらいました。たとえばホームレスの支援団体が、足が畳めるテーブルを炊き出し用にとか、スタンド式の灰皿兼ゴミ箱を公園においてホームレスの方に仕事として管理してもらうのに使うとか、パンフレットケースをNPO支援センターのような所で、各NPOのビラを入れるのに使うとか、フリースクールにホワイトボードとか、こちらにとっては不要品で処分にもお金がかかるものが活かせるわけですから、良いリサイクルになったと思います。何より喜んでもらえて嬉しかったですね。私は理論派じゃないので、何でもともかくやってみようっていうタイプです。失敗しても失敗の中で何か学べばいいというくらいの気持ちで、深く考えすぎないようにしています。

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